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ヨシヒロの読書ブログ

ヨシヒロの気が向いたときに読書記録をつけていくブログ(小説・文学・哲学・心理学・経営・経済・ビジネス)

バフェットの財務諸表を読む力④

前書き

続いて『バフェットの財務諸表を読む力』の第三章から気になった部分を書いていきたいと思います。

バフェット流貸借対照表の読み方

変更の必要がない製品を一貫して生産しつづけることは、一貫して収益をあげつづけることにひとしい

永続的競争優位性を持たない企業は、日々、絶え間ない競争に直面させられている。競争から脱落しないようにするためには、たとえ設備が完全に損耗していなくても、絶え間なく生産設備を更新しつづけなければならない。このような状況は、当然、莫大な出費をもたらし、貸借対照表上の”生産設備”の数字をふくらませる。

 

いっぽう、永続的競争優位性を持つ企業は、競争の参加費として絶え間なく生産設備を更新する必要などない。

 

また、永続的競争優位性を持つ企業は、新しい生産設備をととのえる資金を内部で調達できる。対照的に、永続的競争優位性を持たない企業は、工場の設備更新の資金を、外部からの借金で調達してくるしかない。それもひっきりなしに。

 

同じ製品を一貫して生産しつづければ、競争力を保持するためだけに生産設備の更新に莫大な資金を注ぎ込む必要がなくなり、莫大な剰余金を収益性の高い事業に振り向けられる。

 

永続的競争優位性を持つ企業は、ほとんどの場合、長期借入金が小額もしくはゼロである 

永続的競争優位性を持つ企業は、ほとんどの場合、長期借入金が小額もしくはゼロである、という事実をウォーレンは学んできた。優良企業は膨大な利益をあげているため、事業拡大や企業買収を自己資金でまかなうことができる。だから、巨額な借入を行う必要性などまったくないのだ。

 

優良企業を見分けるひとつの方法は、貸借対照表から長期借入金の総額を読みとることである。ただし、1年間の情報で満足してはいけない。直近10年間の長期借入金の状況をチェックする必要があるのだ。

 

貸借対照表を調査した結果、10年間の事業運営を通じて、長期借入金がほとんど、もしくはまったく生じていなければ、その企業は何らかの強力な競争優位性を持っている可能性が高い。