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ヨシヒロの読書ブログ

ヨシヒロの気が向いたときに読書記録をつけていくブログ(小説・文学・哲学・心理学・経営・経済・ビジネス)

10万円から始める! 小型株集中投資1億円

前書き

今日はAmazonで最近、評判がいい株の本『10万円から始める! 小型株集中投資1億円』について、私が気になった部分を書いていきたいと思います。

著者について

著者の遠藤洋さんは、大学卒業後、ベンチャー企業に入社するも、投資で得た資金をもとに独立。本質的な価値を見極め「1年に何に株価3倍以上になる小型株」へ集中投資するスタイルで、最大年間利回り+600%、1銘柄の最大投資益+1200%など、1銘柄でも億単位のリターンを達成。これまで1200以上の個人投資家を指導し「勝てる投資家」を数多く輩出しているということです。

「手元資金10万円」から、資産1億円を築くまでのロードマップ

資産10万円~100万円

1銘柄に集中投資する。

1銘柄を集中して追って値動きに慣れ、その銘柄のクセをつかむ。

結果的にマイナス10%~20%で損切りしても、身銭を切って実際に投資する過程で、さまざまな学びがある。

このステージでの小型株集中投資は、”練習試合”。目先の小さな損益にとらわれず、どんどんチャレンジすることが大切。そうやって投資経験を増やして、しっかりと学びを得るようにすることがこのステージで大切なこと。 

資産100万円~1000万円

引き続きマイナス10%~20%で損切りしつつも、あきらめずに投資を続けることが大切。

このステージでも、投資先は基本1銘柄、多くても3銘柄まで! 

資産1000万円~3000万円

投資先はやはり多くても3銘柄まで。

もしものときのために余剰資金を備えておく。余剰資金の目安は1~2割。 

資産3000万円~1億円

保有株は多くても5銘柄まで。

このステージで大事なのは「資産を減らさないこと」。

いい銘柄がみつからなかったり、買うタイミングではないと思ったりしたら、無理に投資をしないことも立派な投資判断。

「守りの投資」という考え方もとり入れていく必要のあるステージなので、余剰資金はしっかり確保しておく。

余剰資金の目安は全資産額の2~3割程度。 

資産1億円超~

「自分にとっての幸せとはなにか?」をしっかりと考えてみることが大切になる。 

1年以内に株価3倍以上になる株の共通点

全部にチェックが入る銘柄は稀だが、より多くのチェックが入るほど急成長するポテンシャルが高いといえる。

上場して5年以内の会社

上場して日が浅いほうが、その資金を活用して事業を拡大する「伸びしろ」が大きい。

逆に、上場してから5年以内に業績も株価も伸ばせない会社は、その後も伸びない可能性が高い。 

時価総額が小さい(300億円以下)

時価総額は、小さいほうが伸びしろがあるから大きなリターンを狙うなら投資対象として有望。

創業社長が現役

サラリーマン社長よりも創業社長のほうがカリスマ性をともなったスピード感のある経営判断を下せるので、より急成長する可能性が高い。

社長や経営幹部が大株主

現役の創業社長が筆頭株主である場合、社長にとって株価を上げることが自分の資産を増やすことに直結するので、株価上昇を強く意識した経営が展開される。

高学歴の新卒社員がいる

高学歴で優秀な新卒が入るベンチャー企業は、その後、3~5年でほぼ例外なく業績が伸びている。

社員の平均年齢が若い

平均年齢が若いということは、よいことばかりではないが、最先端のテクノロジーやトレンドを柔軟にキャッチアップし、迅速に商品・サービス化していくには、優秀な若手が多いほうが有利である。

みんなが欲しいと思う商品を提供している

これまでみすごしていた”身近な投資情報”をキャッチできるようになることが、勝てる投資家になる第一歩である。そのためにはあなたの「消費者目線」が役立つ。

「自分ならこの商品・サービスにお金を払うだろうか?」という消費者目線で自問自答することは、シンプルながらも投資判断の本質的な問いかけになる。

トレンドに敏感な消費者であることが、投資で大きなリターンを得る近道でもある。

株価チャートが上昇トレンド

出来高」をともなって株価が上がりはじめたタイミングがベスト。

個人投資家が3倍株をみつけるためのステップ!

身近で流行っている(これから流行りそうな)商品は?

その商品は自分が欲しいと思う?

家族や友達にすすめられる?

その商品を提供している会社は上場している?

その会社のビジネスを人に説明できる

その商品で会社の売り上げが50%以上増えそう?

3年以内に利益が2倍以上になりそう?

競合他社と比べて株価は高すぎない?

株価チャートは上昇トレンド

1日の出来高は1億円以上ある?

小型株でホームランを狙おう

どうやって「テンバガー」をみつけたのか

ネットの情報もいいが、一方でアナログの書店での情報収集をしておくこともおすすめする。

株式投資では日ごろから消費者感覚を研ぎ澄ませ、世の中の動きにアンテナを立てておくことが大切。

世の中の時流を知るという点では、投資・マネーコーナーにある本や雑誌より、『日経トレンディ』(日経BP)のような情報誌のほうが役立つことが多い。

人気のある商品・サービスのトレンドが消費者目線で載っているため、投資先の貴重なヒントを得ることが多い。

消費者に注目されていたり、これから注目度が高まりそうな商品・サービスの情報を、より上流でキャッチできる。

投資をした後は1日5分で保有銘柄をウォッチ
  • ビジネスにトラブルは生じていない?
  • 経営方針の変更はない?
  • 経営陣が自社株を売っていない?
  • 想定していた売上高や純利益は達成できそう?

 

1日1回株価をチェックして、株価に大きな変動があったときには、その原因を調べるために新しいニュースがないかをチェックしたりする。

あなたの身近にお宝情報がある

身のまわりの情報を投資につなげる方法

日ごろの生活にこそ有望な投資先の情報が潜んでいる。

貴重な情報が目の前を日々通り過ぎているのだが、ほとんどの人はそれに気づかない。

それに気づいた人だけが有望な投資情報をキャッチし、大きなリターンを得るチャンスをつかむ。

最近よく広告をみかけるようになった商品・サービスを提供している会社は、業績も株価も伸びていく可能性が高い。 

 みかけた広告を投資につなげる方法

投資を検討するタイミングとしては、広告が広がりはじめた段階が理想的。「最近、この広告よくみかけるようになったな」とおもいはじめたら要チェック!

身近な人の話を投資につなげる方法

身近な人のリアルな声を拾うことで、貴重な投資情報をキャッチすることもできる。

人がお金を使うということは、少なくともその商品・サービスに「お金を使う価値がある」と感じたはずです。そこを何気ない雑談から探ってみる。

雑談の中で自分とは違う消費者感覚を教えてもらうことは、新たな投資機会の気づきとなる!

自分の仕事を投資につなげる方法

業界内では常識であっても、一般の投資家は意外と知らないことだったりすると、こうした情報格差があるところに、大きな投資のチャンスがある。

Twitterの情報を投資につなげる方法

Twitterの使い方としておすすめなのは、特定の投資家の投資情報や相場観よりも、「最近なにが流行っているのか?」というトレンド情報(事実)を得ること。

日ごろのニュースを投資につなげる方法

法改正のニュース:

法律や社会のルールが変わるときには、投資チャンスが生まれる。

ニュースをキャッチしたときには、「これによって有利になる業界は何か?」と連想してみる。

 

裁判のニュース:

裁判所(とくに最高裁)の判決も、内容によっては株価に大きな変化をもたらす。

 

”大きく報道される”ニュース

大事件というわけではないにしても、”大きく報道される”ことからは、なにかしら投資機会が生まれる可能性が高い。

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投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識

前書き

今回は株式投資に必要な投資哲学についての本『投資で一番大切な20の教え』について書きたいと思います。本書は世界最高の投資家ウォーレン・バフェットが推薦する投資哲学についての本です。 

著者について

著者のハワード・マークスは、運用資産800億ドル以上の投資会社であるオークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者です。

はじめに

投資を成功させるには、数多くの独立した要素に、同時に思慮深く注意を向ける必要がある。

 

投資哲学というものは、周りをよく見渡しながら生きていくことで育まれる。投資家は、世の中で何が起きているのか、その結果どのような状況が生じるのかということを意識していなければならない。そうすることでのみ、過去の教訓を同じような状況が再現されたときに生かせる。過去の教訓を生かしそこなうことは、ほかの何にもまして、投資家をバブルと暴落のサイクルに翻弄されつづける運命へと導く要因になる。

二次的思考をめぐらす

投資の目標は平均的なリターンを得ることではない。平均を上回るリターンをあげることだ。そのためには、ほかの人よりもすぐれた、より強力かつ高次元の思考を身につける必要がある。

 

誰も思いつかないことを考える。周りが見逃しているものに目を向ける、ほかの人にはない洞察力を発揮するといったことが必要であり、他の投資家とは違った反応や振る舞いをしなければならない。つまり、投資で成功するためには、物事を正しく見極めることが必要条件になるだろうが、それだけでは十分条件にはならない。ほかの投資家よりも正確に見極める力が必要なのだ。言い換えれば、周りとは違う思考方法を持たなければならない。

 

それでは、二次的思考とはどのようなものだろうか。

 

「これはよい企業だから、株を買おう」というのが一次的思考。一方、「これはよい企業だ。ただ、周り偉大な企業とみているが、実際にはそうではない。この株は過大評価されていて割高だから売ろう」というのが二次的思考である。

 

標準よりもすぐれたパフォーマンスを達成するためには、標準的ではない見通し、ひいてはポートフォリオを持たなければならない。そして、その見通しはコンセンサスよりも正確でなければならない。周りと違っていて、なおかつ、よりすぐれていること。二次的思考の特徴を端的に説明すると、こうなるだろう。

市場の効率性(とその限界)を理解する

効率的市場仮説は以下のように説く。

 

市場参加者の力が結集することで、情報は完全かつ即座にそれぞれの資産の市場価格に反映される。そして、参加者がただちに安すぎる資産を買い、高すぎる資産を売ることで、資産の価格は絶対的にも、他の資産との相対比較で見ても公正な水準になる。

 

しかし、市場価格はつねに正しいと断言するのは不可能だ。前提条件を見ると、とりわけ説得力に欠ける要素がある。客観性だ。人間は冷徹な計算機ではない。むしろ、ほとんどの人は強欲、恐怖、嫉妬などの感情につき動かされて客観性を失い、重大な過ちを犯す傾向がある。

 

過ちとミスプライシングが起きている市場では、類まれな洞察力を持った者が勝つことが可能である。つまり、非効率性の存在によってアウトパフォーマンスの可能性が生じるのであり、非効率性がアウトパフォーマンスの必要条件と言えるのだ。ただし、市場が非効率的だからといって、必ずしもアウトパフォームできるわけではない。

 

非効率性の存在は、価格がつねに公正なわけではなく、誤りが生じていることを意味する。つまり、価格が低すぎる資産もあれば、高すぎる資産もあるということだ。割高な資産よりも割安な資産をつねに多く買うためには、他の投資家よりもすぐれた洞察力が必要なのだ。どんなときでも、すばらしい掘り出し物の多くは、他の投資家が気づいていない、あるいは今後も気づくことのないところで見つかる。ほかの者には「市場には勝てない」と思い込ませておけばよい。冒険しようと思わない者がいるからこそ、冒険する者にはチャンスが生まれるのだ。

バリュー投資を行う

バリュー投資で追求するのは安さである。一般的に、バリュー投資家は利益、キャッシュフロー、配当、実物資産、企業価値などの財務指標に注目し、これらから安いと判断した銘柄を買うことを重視する。したがって、バリュー投資家にとっての第一目標は、発行企業の現在価値を定量化し、安く買えるときに株を買うことである。

 

バリュー投資のアプローチを採用することにし、証券や資産の本質的価値を推計したら、次に重要となるのはそこからぶれないことだ。投資の世界では、何かが正しかったとしても、必ずしもそれがすぐに証明されるわけではないからだ。

 

利益や配当、株価水準、あるいは事業内容についての無知(あるいは無関心)な投資家は、単純に正しいことを正しいタイミングで行うのに必要な強い意志を持つことができない。周りの人がみな株を買い、カネを儲けている状況において、株価が上がりすぎたことを理解し、その輪に加わるのをやめることなど不可能だ。また、株価が急落しているときに、持ち株を保有しつづけたり、大幅に低下した価格で買ったりするのに必要な自信を持つこともできないのだ。

価格と価値の関係性に目を向ける

本質的価値を算定する際のカギは高度な財務分析にあるが、価格と本質的価値の関係性(そしてその見通し)を理解するうえでのカギは、主として他の投資家の心を読むことにある。短期的に見ると、投資家心理はファンダメンタルズとは無関係に、証券の価格をいかようにも動かす要因となりうる。

 

絶対に理解しておくべき点は、ファンダメンタルズに基づく価値は、証券を買う日の価格を決定する要因の一つにすぎないということだ。心理とテクニカル要因も味方に つけられるよう、心がけなければならない。

 

私は堅実な本質的価値の分析に基づく投資アプローチが最も信頼に足ると考えている。一方で、本質的価値とは無関係に利益をもたらすものをあてにすること(バブルに頼ること)は、おそらく最も信頼性が低いやり方だろう。

リスクを理解する

リスクに対処するには、まずリスクを理解し、次にそれが高まったときにしっかり認識することだ。そして、最も重要な最後のステップが、リスクをコントロールすることである。

 

リスク評価が投資プロセスにおいて非常に重要な要素であると言う背景には、三つの強力な理由がある。

 

第一に、リスクは悪いものであり、分別のある人のほとんどはこれを回避あるいは最小化したがる。

 

第二に、投資を検討する際には、潜在的なリターンだけでなく、付随するリスクも考慮して判断を下すはずだ。投資家はリスクを嫌うため、追加的なリスクを許容するうえで、高めの予想リターンという見返りを求める。

 

第三に、投資成績について考える際、リターンそのものだけを見るのではなく、付随したリスクについても評価する必要がある。そのリターンをもたらしたのは、安全な資産への投資だったのか、それともリスクの高い資産への投資だったのか。

 

「リスク」とは何よりもまず、資金を失う可能性のことである。

 

理論では、高リターンは高リスクに付随することになっている。前者は後者の見返りとして存在するとの理由からである。だが実利主義のバリュー投資家は、まったく逆の考え方をする。本質的価値を大幅に下回る価格で資産を買えば、高リターンと低リスクは両立しうるというのだ。同様に、高すぎる価格で買うことは、低リターン・高リスクを意味する。

リスクを認識する

リスクの認識は多くの場合、投資家が過渡に楽観的でリスクをないがしろにしており、その結果として、ある資産を高すぎる価格で買っていると気づくところから始まる。言い換えれば、高リスクは主として高い価格とともに訪れる。個別の証券など、特定の資産が過大評価されて割高となっている場合でも、相場全体が強気のセンチメントに押し上げられて青天井となっている場合でも、価格が高い状況で及び腰にならず、輪に加わることが、リスクの主因となるのだ。

 

リスクが生じる主因の一つは、「リスクが低い」、場合によっては「リスクがまったくなくなってしまった」という思い込みである。こうした思い込みが価格を押し上げ、期待リターンが低い状況であるみもかかわらず、投資家をリスクの高い行動へと駆り立てるのだ。

 

投資リスクは主として高すぎる価格によって生まれ、高すぎる価格は多くの場合、楽観主義が行き過ぎ、懐疑主義とリスク回避が鳴りをひそめることによって生じる。

リスクをコントロールする

獲得するリターンに相応する水準よりも低いリスクをとる者こそ、すぐれた投資家だと私は考える。つまり、低いリスクをとってほどほどのリターンをあげたり、ほどほどのリスクをとって高いリターンをあげたりする者だ。

サイクルに注意を向ける

人生と同じく、投資の世界では確実なことなどほとんどない。価値は消失するかもしれず、予測は外れうる。環境は変わる可能性があり、「確実なこと」が崩れる場合もある。それでも、胸を張って信じられる原則が二つある。

 

原則その①……ほとんどの物事にはサイクルがあることがやがて判明する

原則その②……利益や損失を生み出す大きな機会は、周りの者が原則その①を忘れたときに生じることがある

 

ほとんどの物事は一本調子には進まない。前進もすれば、後退もする。好調だったものが不調に転じたりもする。急速に前進したあと、減速する場合もある。じわじわと悪くなっていたものが、急激に悪化することもある。だがどれも根底にあるのは、物事は上昇と下降、成長と衰退を繰り返すという基本原則だ。経済、市場、企業も例外ではない。必ず浮き沈みがあるのだ。

 

サイクルの存在を無視し、これまでのトレンドをそのまま未来に当てはめようとすることは、投資家が冒しうる重大な危険の一つである。人々は往々にして、好調の企業がずっとその調子を維持する、あるいはアウトパフォームしている投資が永遠にアウトパフォームしつづけるかのように振る舞う(逆方向のトレンドの場合も同様である)。だがトレンドが反転するほうが、現実となる公算は大きいのだ。

振り子を意識する 

証券市場における地合いの動きは、振り子の振動によく似ている。振り子の軌道の中心点は「平均的な」位置と呼ぶにふさわしいが、実際にその場所に振り子がある時間はほんの一瞬である。そもそも、振り子は軌道の一端からもう一端へとほぼ休みなく揺れ動いている。そして一端に近づけば、遅かれ早かれ中心点に向かってまた動きが反転することは避けれらない。じつのところ、一端に向かう動きこそが、もう一端に揺れ戻るためのエネルギーを生み出すのだ。

 

リスクに対する振り子の振動は、すべての振り子の中でも特に影響力が強いものだ。私は最近、投資における主要リスクを「損失を出すリスク」と「機会を逸するリスク」の二つに集約した。このうちどちらかをほぼ排除することは可能だが、両方をなくすことはできない。理想的な世界では、投資家はこの二つのバランスをとるだろう。だが時期によって、振り子が軌道の一端に達する、つまり、どちらかが支配的になる状況が生じるのだ。

心理的要因の悪影響をかわす

スプライシング、誤解、他人が犯す過ちなどの非効率性は、すばらしいパフォーマンスをあげる機会を提供してくれる。むしろ、こうした非効率性を逆手に取ることが、アウトパフォームしつづけるための唯一の手段である。ほかの者と差をつけるには、過ちを犯す側ではなく、見極める側にいなければならない。 

 

投資家の努力を台無しにする感情の第一は金銭欲である。とりわけ、金銭欲が強欲へと姿を変えると大きな影響が生じる。

 

強欲の力はきわめて強大だ。常識、リスク回避、慎重さ、警戒感、論理、苦痛に満ちた過去の教訓の記憶、強い覚悟、恐怖心など、本来ならば投資家がトラブルに巻き込まれるのを阻止するであろう、すべての要素をねじふせてしまうほどである。そして、時として強欲のせいで、投資家は利益を求める群衆と運命を共にする衝動に駆られ、やがてその代償を支払うはめになるのだ。

 

強欲の対極は恐怖であり、これが第二に考慮すべき心理的要因である。投資の世界において、恐怖は論理的かつ実際的なリスク回避を意味する言葉ではない。むしろ、強欲と同様に行き過ぎた様子を示すのであって、どちらかというとパニックに近い意味を持つ。つまり、恐怖は行き過ぎた懸念であり、しかるべき建設的な行為を投資家が実践に移すのを妨げるのだ。

 

三番目に論じたい心理的要因は、論理、過去、そして伝統的な規範を無視してしまう人々の性向である。こうした性向から、人は(筋が通った話ならまだしも)疑わしい投資案件であっても、カネ儲けできそうな可能性があれば受け入れてしまう。

 

投資家の過ちを引き起こす四番目の心理的要因は、たとえ明らかにおかしいところがあったとしても「多数派の見方に(逆らうよりも)同調する傾向」である。

 

投資家の行動を左右する五番目の心理的要因は嫉妬だ。人々を「もっともっと」と駆り立て続ける強欲の負の力は、他人と自分を比べることによって、さらに強大になる。これはいわうる「人間の性」の中でも特に有害なものだ。

 

六番目の心理的要因はうぬぼれである。

 

割高な銘柄がさらに値上がりしつづけている、あるいは割安な銘柄がさらに値下がりしつづけているのであれば、正しいこと、つまり前者を売って、後者を買うことを実行するほうが楽なはずだ。しかし、人はそのようには動かない。自信喪失ぎみのときに他人の成功話を聞くと、投資家はまちがった行動へと駆り立てられ、その結果、こうした傾向はさらに長続きするのだ。投資家はこのような圧力とも戦わなければならない。

 

それでは、勝率を高めるためにどのような武器を身につければよいのだろうか。以下に、オークツリーで実践していることを挙げよう。

 

  • 本質的価値を強く意識する
  • 価格が本質的価値から乖離した場合にとるべき行動にこだわる
  • 過去のサイクルに関する知識を深め、行き過ぎた相場が最終的に報われるのではなく、手痛い打撃を受けることを心得る
  • 市場が極端な状況にあるときの投資プロセスにおいて、心理的要因がひそかに悪影響を及ぼすことをしっかりと理解する
  • 「そんなうまい話があるわけない」と思えるときは、たいていの場合、そのとおりであることを肝に銘じる
  • 誤った水準にある相場がさらに誤った方向へ動いているときには(例外なくそうなるのだが)自分がまちがっているように見えることを進んで受け入れる
  • 同じ考えの友人や同僚の支持を得る(そして自分も相手を支持する)

 

これらを心がければ確実にうまくいくというわけではないが、そのチャンスを得ることは可能となる。

逆張りをする

逆張りの大まかな概念を受け入れることと、それを実践することは別だ。振り子がどこまで振れるのか、動きがいつ反転するのか、反転後にどれだけ振れるのかは絶対にわからない。

 

ただし、振り子が極限に達すると、相場が中心点に向かって(あるいは中心点を越えるところまで)揺れ戻ることは確実だ。振り子が永遠に同じ方向へと動きつづける、あるいは極限に達したあと、そこにとどまりつづけると信じていた投資家は、失望せずにはいられない。

 

とはいえ、市場に影響を及ぼす要因は数多く、変動しやすいため、逆張りも含めて、全幅の信頼を寄せられる概念やアプローチは存在しない。

 

逆張り投資家として、願わくば用心深さとスキルを携えて落下するナイフを掴みにいくのが我々の仕事だ。だからこそ、本質的価値という概念が非常に重要な意味を持つ。本質的価値に対する考えを維持し、周りがみな売っているときに買うことができれば(そして、それが正しい判断だったと判明すれば)、それこそが最も少ないリスクで最も高い利益をあげる方法なのである。

掘り出し物を見つける

賢明なるポートフォリオ構築のプロセスは、特に収益性が高い資産を買い、それらを買う余地を作るために収益性の劣るものを売り、最も収益性の低い資産は避けることからなる。このプロセスを実現するために必要な材料は、①投資先候補のリスト、②それらの本質的価値の推定、③それらの価格が本質的価値と比べてどうなのかという感覚、④それぞれの投資にともなうリスクと、それらを組み入れることによるポートフォリオへの影響に対する理解、である。

 

掘り出し物は不当なまでに価格が低く、したがってリスクに対するリターンの比率が異常に高いため、投資家にとっての「聖杯」である。こうした資産は効率的市場には存在するはずがない。ただし、私のこれまでの経験をもとに言えば、掘り出し物は日常的にあるものではないが、その存在を排除するであろう要因がうまく機能しないこともしばしばある。

我慢強くチャンスを待つ

秘訣を教えよう。積極果敢に動くよりも、資産のほうがこちらへ向かってくるのを待った方が、良いパフォーマンスをあげられる。売り手が積極的に売ろうとしているものの中から買うものを選んだほうが、自分で「これが欲しい」と決めたもののリストに基づいて投資するよりも、高いリターンが得られる傾向があるのだ。機を見るのに敏な投資家は、お買い得価格で売られているから、という理由で投資する。価格が安くないときに買っても、うまみはないのである。

 

バットをかついで打席に立つのが、バフェット流の「我慢強くチャンスを待つ」やり方だ。バットが肩から離れるのは、リスクが制御された儲かる投資機会が訪れたときだけだ。そのための選別眼を身につける方法の一つは、最大限の努力をして、今いるのが低リターンの環境なのか、高リターンの環境なのかを確実に把握することだ。

 

危機時の投資でカギとなるのは、①売りを迫るマイナス要因から身を遠ざけ、②そのかわりに買い手の立場をとることだ。これらの条件を満たすために投資家に必要なものは、断固として本質的価値を重視すること、レバレッジになるべく、あるいはまったく頼らない事、そして長期的な資本と強い意志だ。逆張りの姿勢と健全なバランスシートを拠り所として我慢強くチャンスを待てば、金融崩壊時に驚異的な利益を生み出しうるのである。

無知を知る

私は、①マクロ経済が将来どうなるのか知ることは難しい、②未来に関するすぐれた知見を持ち、それを継続的に投資する際の強みにできる者はほとんどいない、ということを強く確信している。ただし、例外的な点として、二つ挙げたい。

 

  • より狭い範囲のことに特化するなら、知見を強みとして発揮できる可能性は高まる。熱心に研究し、スキルを駆使すれば、個別の企業や証券について、隣の人よりもつねに多くを知ることはできる。だが、市場や経済について同じようにできるかというと、その公算ははるかに小さい。だから私は、「知りうることを知るよう心がけなさい」と呼びかけている。
  • 投資家はいま現在、サイクルや振り子のどこの位置にいるのかを見出す努力をすべきだ。そうすれば将来の動きが予測できるわけではないが、起こりそうな事態に備える手助けにはなる。

今どこにいるのかを感じ取る

振り子の振動を正確に予測し、つねに正しい方向に動くことができたら申し分ないだろうが、そのように期待するのはまったく非現実的だ。それよりも、以下のことに力を注いいだほうが、はるかに分別がある。それは、①相場が振り子の軌道の一端に達するときに備えて警戒を怠らない、②変化に応じて自分の行動を調整する、そしてこれが最も重要なのだが、③サイクルの頂点と谷底で多くの投資家を完全に、まちがった行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに、歩調を合わせない、だ。

運の影響力を認識する

  • 知ることが難しいマクロの世界(経済・市場全体のパフォーマンス)について予測し、それに基づいて決断するよりも、知りうること(業界、企業、個別銘柄)の中から割安な投資先を見つけようとするのに時間を使うべきである。
  • 未来がどうなるのか正確に知ることができない点を考慮すると、資産の本質的価値を拠り所にする必要がある。そのためには、本質的価値について分析に基づいた確固たる見解を持ち、本質的価値よりも安く買える機会が生じたら動くことだ。
  • 起こりうる結果の多くは逆風となる公算が大きいため、ディフェンシブな投資を実践する必要がある。好ましい結果が生じたときに最大限のリターンを確保することよりも、悪い結果が生じた場合に確実に生き残れるようにすることが重要である。
  • 成功する確率を上げるには、市場が極端な状況になったときに群衆とは逆の方向に動くこと、つまり相場の低迷時には積極果敢に、高騰時には慎重になることが必要である。
  • 結果がどのような要因によって生じたのかはきわめて不明瞭であるため、検証を重ねて解明されるまで、戦略とその結果を(よかった場合も、悪かった場合も)懐疑的な目で見なければならない。

 

世界を不確実な場所と見るのなら、以下の点を同時に心がける必要がある。リスクに対して健全な尊重の念を抱くこと、未来がどうなるのかはわからないと意識すること、将来は確率分布の世界であると考え、ディフェンシブな投資にこだわること、落とし穴に陥らないよう気を引き締めることだ。思慮深い投資とは、まさにこういうことだと私は考えている。

ディフェンシブに投資する 

投資における守りには、二つの大原則がある。一つ目は、損失を出す資産をポートフォリオに入れないことだ。これは、幅広く綿密な調査を行うこと、厳格な投資基準を採用すること、低価格と十分な「誤りの許容範囲」を求めること、持続的な繁栄やバラ色の予測や不透明感のある出来事をあまり積極的に投資の材料としないこと、によって実行できる。

 

二つ目の原則は、相場が悪い時期、とりわけ暴落による市場崩壊が起きるリスクがある時期を避けることだ。そのためには、損失を出す資産をポートフォリオに入れないという個別の対応に加えて、慎重にポートフォリオを分散化させること、ポートフォリオ全体でリスクを抑えること、そして全般的に安全性に対する選考を強めることが必要となる。

 

ディフェンシブな投資と言うと高尚な響びきするが、要は「恐怖心を持って投資せよ」ということだ。損失の可能性を、知らないことを、質の高い決断を下しても不運や予期せぬ事態で台無しになる可能性を、恐れるのだ。そうすれば、思い上がりを防ぎ、慎重さを保ち、心のアドレナリンを分泌させつづけることができる。

落とし穴を避ける

落とし穴を避けるための重大な第一歩は、つねに目を光らせていることだ。強欲と楽観主義が組み合わさるたびに、人々は高リスクをとらなくても高リターンを生み出すと期待される戦略を追求し、流行りの証券に高すぎる価格を支払い、すでに高価格の資産を、まだ値上がりの余地があると見込んで保有しつづける。そして、あとになって誰もがまちがっていたこと、つまり非現実的な期待をふくらませ、リスクをないがしろにしてきたことが明らかになるのだ。だが、手痛い経験によって得た教訓も、落とし穴を避けるうえではそれほど役に立たない。重要なのは、落とし穴を予測しようとすることだ。

 

市場は毎日、教訓を学ぶことのできる教室だ。投資を成功させるためのカギは観察と学習にある。

付加価値を生み出す

付加価値を生み出す投資家のパフォーマンスは非対称だ。上げ相場で達成するリターンの規模(上げ幅)は、下げ相場で被る損失の規模(下げ幅)よりも大きい。相場環境が良いときに、逆境時の損失を超える規模のリターンを得るには、投資家個々のスキルに頼るほかない。これこそが、われわれが追求する投資の非対称性だ。

 

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ミリオネアマインド 大金持ちになれる人

 前書き

そういえば、子供の頃はお金持ちになりたいと思っていたのですが、30半ばになって大してお金を持っていないという状態なので、何が原因なのかと考えた挙句、ひとつマインドに問題があるのではないかと思い、今回は『ミリオネアマインド 大金持ちになれる人』という本を読んでみました。この本の中から私が気になった部分を書いていきたいと思います。この本によると、金持ちになれる人とお金に縁のない人とは思考回路が違うということです。

著者について

著者のハーブ・エーカーさんは全米一のマネー・コーチであり、資産ゼロから、たった2年半で億万長者に変身した秘訣「ミリオネア・マインド」を広めるセミナーを全米各地で開催。アメリカ国内はもとより、全世界から参加者が詰めかけ、これまでに25万人以上がセミナーに参加し、多くの成功者、大金持ちが誕生しているということです。

 

「お金」と「心」の不思議な関係

「外面」のお金のルールがあれば、「内面」のお金のルールがある。「外面」のルールとは、ビジネスの知識、資産運用法、投資戦略などを指す。

 

たしかにどれも大切だが、「内面」のルール、つまり、性格、思考、信条などの内面的要素はさらに重要である。これが、成功の度合いや、手にするお金の大きさを決めるといって過言ではない。

お金にも「原因と結果」の法則がはたらいている

ここに一本の木がある。木には果実が実る。多くの人が果実(結果)を見て、「数が少ない、小さすぎる、味がよくない」と不満を感じる。

 

しかし、果実のでき具合を左右した「本当の原因」はいったい何なのか。それは、その木の「種」と「根っこ」である。

 

ここで重要なのは、地上にある「果実」をつくり出しているのは、地下にある「根っこ」だということだ。目に見えない「原因」が、目に見える「結果」を生み出しているという事実だ。もし実のでき具合を改良したければ、地下にある木の根っこに手を加えなければならない。「目に見えない世界」を変えなければ、「目に見える世界」である現実は改善できないのだ。

”金欠病の最大原因”はこんなところにある

さて、「果実」と「根っこ」のたとえを人間に置き換えてみると、「果実」とは現実であり、「根っこ」とは、心理や感情、そして精神的な面になるだろう。

 

しかし、ほとんどの人は、「現実」がこうした内面世界の「プリントアウト」でしかないことに、全く気づいていない。

 

「私の内面の思考が、外面の現実をつくり出す」

あなたの”豊かさ”を決める「お金の設計図」

「お金の設計図」とは、お金に関してどんな価値や思い入れが心、そして潜在意識に刻まれているかを示した図である。この内面にある設計図が、あなたの経済状態をどんな要因よりも大きく左右する。

 

「お金の設計図」は、お金に対する考え方、感情、行動が組み合わさったものだが、過去、とくに幼児期に得た情報に基づいて形成される。両親、兄弟、友人、権威ある大人、教師、宗教的指導者、メディア、文化などから受けた訓練や学習も強い影響を及ぼしている。

 

つまり、お金を扱う時にどう考え、どう行動するかは、「誰かから教えられたこと」なのだ。そうして身につけた「お金の設計図」は、コンピュータのプログラムのように、あなたとお金とのつきあい方を指示している。そしてあなたは、無意識のうちに、この指示に従って動いているのだ。

 

思考は、心の中のファイル・キャビネットに保存されている「情報ファイル」から生まれる。そして、情報ファイルの中身は幼児期から今までの経験、または教育によってつくられる。つまり、今あなたが何を考えるかは、過去の経験や教育という「プログラミング」によって決まるということだ。

 

プログラミングから思考が生まれる。

思考から感情が生まれる。

感情から行動が生まれる。

行動から結果が生まれる。

 

だから、結果を変える最初の大切なステップは、心の中のデータやプログラムを変更することなのである。

 

そこで、まずはプログラミングがどのように行われるのかを見ていこう。

 

言葉…小さい時にどんなことを聞いて育ったか。

お手本…小さい時にどんな人のどんな行動を見て育ったか。

トラウマ的体験…小さい時にどんな経験をして育ったか。

 

「お金の設計図」を書き換えるには、四つの段階がある。

 

その第一は認識である。変えるべきものの存在を知らずして、変化は望めない。そのために、子どもの頃から今までに耳にした、お金、財産、金持ちに関する言葉をすべて書き出してほしい。

 

第二は理解である。自分の考え方が何に端を発しているのか、誰に教え込まれたものかを探り、自分の経済状態に及ぼしてきた影響を洗い出してみてほしい。

 

第三の段階は削除である。豊かさへの障害になる考え方を自分から切り離すのだ。長い間、心の中にしまってあった「情報のファイル」に今も価値があるのか、ないのか、その心の姿を見極めてほしい。

 

第四の段階は再プログラミングだ。

 

「今までに聞いたお金に関する言葉は正しいとは限らない。将来の幸福と成功のために、ここで新しい考え方を選択し、自分のものにする」

 

「自分には価値がない」と心の中で信じていると、結果として、お金がないという現実を自らつくり出してしまう。反対に、自分は十分価値のある人間だと信じていれば、十分なお金が手に入るようになる。心が「十分な」状態であれば、「豊かな生活を送っている自分」があなたの自然な姿になる。

 

怒り、恐怖といった後ろ向きな感情を手放して、ビジネスの目標を「人の役に立つこと、人を喜ばせること」といった前向きな言葉と結びつけて考えよう。そうすれば、怒り、恐怖からお金を処分するような習慣とは手を切れるだろう。

 

「私の今までのお金の扱い方は、本来の自分のやり方ではない。私は自分らしいやり方を身につける」

 

大半の人は、ビジネスで成功するには、知識や技術を身につけること、または上昇気流に乗るタイミングをうまくつかむことが必要だと思っているが、勘違いもいいところだ。ビジネスの成功も、あなとのお金の設計図次第なのだ。

 

では、自分の「お金の設計図」がどのレベルに設定されているかを知るには、どうしたらよいだろうか。

 

わかりやすいのは、自分の仕事の成果を見ることだ。貯金額、収入、財産、投資の運用結果、ビジネスの成功具合などを検討してみるのだ。

 

また自分が、貯蓄型か浪費型か、金銭管理に長けているか、衝動的に行動していないかなども冷静に考えてみてほしい。金儲けのためにどれほど努力しているか。お金が絡んだ時の行動についても考える必要がある。

 

部屋の温度を変えたければ、エアコンの設定を変えなければならない。それと同じように、あなたの経済状況を変える唯一の方法は、「お金の設計図」を書き換えることだ。

 

「私は常に自分の考えに注目し、自分のためになる考えのみを頭の中に残す」

金持ちになれる人は「人生は自分で切り拓く」と考える

金持ちになりたいなら、あなたが人生の運転席に座るべきだ。とくにお金の管理については、自分がハンドルを握らなければならない。

 

成功をつくり出すのは、他でもない、自分なのだという信念を持ってほしい。言い換えれば、人並みの財産しかないのも自分の責任だし、お金に困り、なかなか成功できないのも自分の責任である。意識する、しないにかかわらず、すべて自分の責任なのだ。

 

「自分がどれだけ金持ちになるかを決めるのは、私だ」

金持ちになれる人は「成功と富」をめざす

お金のことになると、多くの人が「守りの姿勢」になりがちだ。安全と安定を望むあまり、成功や豊かさまで頭が回らなくなる。自分の人生のゴール、本当の目的は何なのか。そこを見失ってしまうのだ。

 

真の大金持ちのゴールは、巨万の富と財産を築き、裕福な暮らしをすることだ。一方、お金に縁のない人の第一のゴールは「自転車操業でもいいから、暮らしに困らない」ことだ。「あなたの考えることが現実になる」という法則を思い出してほしい。暮らしに困らないだけのお金を稼ぐことが目標なら、そこが終着点であり、びた一文余分に入ってくることはないのだ。

 

あなたのゴールが快適な生活なら、金持ちには決してなれないが、金持ちになるのが

ゴールならば、快適さをとことんまで追求できるようになるということだ。

金持ちになれる人は「絶対に金持ちになる」と考える

心のファイル・キャビネットには、必ずお金に関するファイルが入っている。そして、大半のhとのファイルには、「金持ちになれたらすばらしい」という思いと共に、「金持ちになるのは悪いことだ」という情報が入っている。これは、心の中に相反する考えが存在しているということだ。

 

こう考えてみてはどうだろう。宇宙は、大規模な通販会社と同じである。あなたは、自分の願望をエネルギーという形で宇宙に注文する。すると、宇宙はなるべくあなたの要望に応えようと最善を尽くす。

 

ここで、あなたが相反するメッセージを送り出していると、宇宙は混乱して何を送ればいいのか、わからなくなる。

 

お金に縁のない人は、本音は金持ちになりたいと思っているのに、「金持ちには問題が多い」という考えを捨てることができない。その結果、自分が本当に金持ちになりたいかどうか、混乱してわからなくなっている。宇宙に送り出すメッセージも混乱してくるわけだ。

 

話を先に進めよう。実は、欲求には三つのレベルがある。

 

第一のレベルは「金持ちになれたらいいと考えるレベル」、つまり「努力せずにタナボタをねらう」レベルだ。ただ欲しがるだけ、望むだけで希望が叶うほど、世の中は甘くない。同じところをグルグル回るだけで、金持ちになる見込みはゼロである。

 

第二のレベルは、「金持ちになることを自ら選択するレベル」、つまり、金持ちになろうと決心するレベルだ。このレベルは単なる欲求と比べると、はるかに強いエネルギーを生み出し、実現に向けた行動につながっていくだろう。

 

第三のレベルは「絶対に金持ちになると決めているレベル」つまり、全身全霊をささげて努力するというレベルだ。それこそ1000パーセントの努力をして、金持ちになるという目標を追求し、勝利をつかむまで最大限の努力を惜しまない。これはまさしく戦士と呼ぶにふさわしい。言い訳も、公開も、失敗も許されない戦士の生き方は単純明快だ。

 

「死んでも金持ちになってみせる」と言い切れる人はそう多くない。「この先十年を賭けて財産を築く決意があるか」と聞かれれば、大多数は「とんでもない」と答えるだろう。

 

金持ちとお金に縁のない人の差はここにある。全力で金儲けに専念する決意がないのだから、金持ちであるはずもなく、この先、金持ちになれる見込みもない。

 

「努力しているだけじゃ話にならない。全身全霊をささげて最大限の努力をするということは、文字通り、自分のありったけのエネルギーをつぎ込む覚悟があるということだ。金持ちになれない人は、努力する量をあらかじめ考えてスタートしがちだ。また、どれだけ危険を冒すか、どれだけ犠牲を払うか、すべてに上限を設けているのだ。表面上は、一生懸命でも、これは嫌だ、あれはできないと、様々な条件をつけて、なまけたがる」

 

金持ちになるには、集中力、勇気、知識、技能、1000パーセントの努力、不屈の精神、そして金持ちの考え方、すなわちミリオネア・マインドが必要である。また自分には金儲けの才覚があり、金持ちになるのにふさわしいと心の底から信じることも大切である。

 

金持ちになれる人は、どれだけの犠牲を払ってでも、成功するまで努力し続ける覚悟を持っている。どんなことでもいとわずにやる。あなたにも同じことができるだろうか。

 

ここでおもしろいのは、何かに全身全霊をささげて取り組むようになると、宇宙はその望みをかなえようと懸命に応援してくれることである。

 

「全身全霊をささげて取り組まない限り、引き返すべきかという迷いや無力感がつきまとうものだ。行動を開始するにあたっては、ある基本的な真理の存在を知るべきである。もしこれを無視すれば、数多のアイデアや計画が水泡に帰すだろう。その真理とは、全身全霊をささげて専念した瞬間に、神意が働き出すということだ。夢にも思わなかった様々な偶然や出会い、物質的支援に恵まれるのである」

金持ちになれる人は「大きく考える」

あなたの市場価格は、四つの要素によって決まる。それは、需要、供給、質、量だ。たいての人が困難を感じるのは量である。ここで言う量とは、「実質的な価値をどれだけ市場にもたらすか」である。別の言い方をすれば、「何人の人に実質的な影響を与えるか」ということだ。

 

自分の能力を最大限に発揮して、自分の使命を果たし、他者に貢献することをめざしてほしい。

 

小さく考え、小さく行動していると、一文無しで欲求不満の一生を送ること人ある。大きく考え、大きく行動すれば、お金と生きる意味を手にできる。

 

「私は大きく考える。何千人、何万人もの人に貢献する道を選ぶ」

金持ちになれる人は「チャンス」に注目する

金持ちになれる人には「チャンス」が見える。桶根に縁のない人には「障害」が見える。金持ちになれる人は「成長の可能性」がわかる。お金に縁のない人は「失敗の可能性」がわかる。金持ちになれる人は「報酬」に注目し、お金に縁のない人は「危険」に注目する。つまり、金持ちになれる人は「コップには水が半分も入っている」と考え、お金に縁のない人は「半分しか入っていない」と考えるということだ。

 

ここでは、あなたの習慣になっている「ものの見方」に注目してほしい。お金に縁のない人は恐怖に駆られて選択をする。彼らはどんな時でも、うまくいかない、またはいきそうにないことばかり探し求める。彼らの考え方の基本は「もしうまくいかなかったら、どうしよう」であり、最初から「うまくいくはずがない」とあきらめてしまうことも多い。

 

中流階級は、これよりはやや楽観的で、いつも「うまくいくといいなあ」と思っている。

 

金持ちになれる人は、どんな結果であろうと責任を取り、「絶対にうまくいく。俺がうまくいかせてみせる」と考えながら行動する。

 

一般的に言って、見返りが大きければ大きいほど、それに伴う危険も大きくなる。金持ちになれる人は、常にチャンスを見逃さず、危険を冒す心の準備ができている。たとえ最悪の結果に終わっても、いつでも損は挽回できると信じているのだ。

 

反対に、お金に縁のない人は失敗することを予想している。自分自身にも、自分の能力にも自信を持てないからだ。もし万一失敗したら、取り返しのつかないことになると思っている。常に生障害ばかりが見えてしまうので、危険を冒したがらない。安全第一なので、当然、見返りもない。

 

危険を冒すことが必ずしも失敗につながるとは限らない。金持ちになれる人は計算されたリスクを取る。事前に綿密に調査し、評価を死、確実な情報と事実に基づいて決定を下すのである。できるだけ短期間で必要な情報をまとめ上げ、やるだけの価値があるかどうかを判断するのだ。

 

幸運を呼び込むには、何らかの行動を起こさなければならない。経済的に成功したければ、何かを購入するか、何かのビジネスを始めるか、とにかく行動を起こす必要がある。

 

行動を起こして初めて、その勇気と努力の報酬が期待できるし、人知を超えた力も手助けしてくれる。これが「幸運を呼ぶ」ということである。

 

金持ちになれる人とお金に縁のない人のもう一つの大きな違いは、金持ちになれる人は「自分のほしいもの」に意識を集中させるのに対し、お金に縁のない人は自分の欲しくないものに意識を向けることだ。

 

金持ちになれる人はチャンスに注目するから、チャンスがどんどん増えていく、彼らの頭痛の種は、いいチャンスが多すぎてどれを選ぶか迷うことだ。反対に、お金に縁のない人は障害にばかり注目するので、障害がどんどん増えていく。彼らの頭痛の種は問題が山積みで、どこから手をつけていいかwからないことだ。

 

もちろん、チャンスに意識を向けたからといって、途中で問題が何も出てこないとは言わない。問題が起きたら速やかに対処し、また目標に目をもどせばいい。限られた時間とエネルギーを効果的に使える人が、目標に向かって着実に前進できるのだ。

 

「何もせず過ごすよりは、何か行動を起こすほうがよい」。金持ちになれる人はとにかくはじめの一歩を踏み出してみる。ゲームが始まれば、その都度、適切な判断をし、軌道修正ができると確信している。

 

お金に縁のない人は、自分自身にも、自分の能力にも自信がないから、事前にすべてがわかっていなければ行動が起こせないとグズグズしている。一方、金持ちになれる人は、「用意、ねらえ、撃て」という積極的かつスピーディな行動で、成功を収めることが多い。

 

お金に縁のない人は「興りうるすべての問題を考慮し、その対策がわかるまでは何もできない」と言い訳しながら、何もせずに過ごすのだ。何もしないのだから、成功するわけがない。

 

「私は障害ではなくチャンスに注目する」

金持ちになれる人は「成功者を称賛する」

お金に縁のない人は、他人の成功にやきもちをやき、ねたみ、恨む傾向がある。「運がいいだけさ」と切り捨てるか、「金持ちだと思って偉ぶりやがって……」と鬱屈した思いを募らせる。

 

どんな形にせよ、金持ちを悪人に仕立て上げ、自分は善人でいたい人は、決して金持ちにはなれない。自分が嫌悪するものになれるわけがないからだ。

 

金持ちをうらやみ、ねたむ人は、一文無しの状態から一生逃れられない。この呪縛から逃れるためには、うらやみ、ねたむのをやめる練習を積むしかない。ねたむ代わりに、金持ちをほめてみてほしい。金持ちを祝福してほしい。金持ちを好きになってほしい。

金持ちになれる人は「成功した人」とつきあう

学習の基本は、誰かをお手本にすることである。

 

成功者は、他の成功している人とつきあうことで刺激を受け、自分も頑張ろうと思う。相手の優れたところをお手本として、「あの人にできるなら、自分にもできるはずだ」と何かを学ぼうとするのだ。

 

金持ちになれる人は、誰かが先に成功してくれたことに感謝している。お手本を真似すれば、苦労せずに成功を手に入れられるからだ。こうすれば成功できるという方法が、すでに確立されているから、ゼロから模索する必要がないというわけだ。

 

実際に金持ちになった人の方法を学ぶことが、金持ちの仲間入りをする一番手っ取り早い方法だ。その人の内面と外面、両方の戦略を真似すればいい。金持ちとまるで同じ考え方をして、同じ行動を取ったら、同じ結果が出ると期待するのは当然のことだろう。

 

金持ちになれる人は人生の勝者とのみつきあう。そして、金持ちになれる人は、成功した人と一緒にいると、居心地よく感じる。自分には彼らとつきあうだけの価値があると信じている。

 

もし金持ちになりたければ、自分の心の設計図を書き換えて、どんなにすごい億万長者も自分と変わらないのだと固く信じることが必要だ。

金持ちになれる人は、セールスに「積極的」である

金持ちとは、通常リーダーであり、偉大なリーダーは売込みがうまいものである。そして、優れたリーダーは高額の報酬を稼ぐ。

 

リーダーになるためには、支持者と信奉者がいなければならない。そのためには、自分の理想をたくみに売り込み、人々をその気にさせなければならない。

 

積極的に売り込みができないのは、商品に自信がないか、自分の力を信じられないからだ。そういう人は、あらゆる手を使って自分の価値を皆に知ってもらおうとする人の存在さえ信じられないのである。

 

自分なら本当に役に立つものを提供できると思うなら、そのことを世の中に広く知らしめなければならない。

 

それは人助けにつながることだし、何よりも金持ちになる近道なのだ。

 

「私は情熱を持って、自分の価値を売り込む」

金持ちになれる人は、自分が抱える問題より「器が大きい」

金持ちへの道は、公園の遊歩道とは全く違っている。つまり、急カーブ、曲がり角、回り道、障害物が次々と出てくる長い道のりなのだ。金持ちになるには、こうした障害や落とし穴を次々に攻略していかなくてはならない。しかし、たいていの人は、面倒に巻き込まれるのは嫌だし、頭痛の種になるようなことはお断りだし、責任を負うのも遠慮したいと思い、問題を避けて通ろうとする。

 

金持ちになれる人とお金に縁のない人の最大の違いはここにある金持ちになれる人は自分が抱える問題よりも器が大きいが、お金に縁のない人は自分が抱える問題よりも器が小さい。

 

富は人間としての成長度によって決まることを思い出してほしい。そして、人生の究極の目的は、あなた自身の成長であり、いったん築き上げた富を維持していくために、どんな問題や障害をも克服できるレベルに到達することである。

 

富を手に入れる人たちは、常に解決方法を見つけることに専念する。問題が発生すると、解決に向けた戦略と計画を練ることに時間とエネルギーを費やし、問題が再発しないよう新しいシステムをつくり上げる。

 

「私はどんな問題よりも器が大きい」

「私はどんな問題にも対応することができる」

金持ちになれる人は、富を受け取るのがうまい

自分に価値があるか、ないかというのはつくり上げられた幻想に過ぎない。自分が意味づけをしない限り、何ものも意味を持つことはない。

 

あなたの価値を決めるのは、他でもないあなた自身だ。あなたの考え方一つで、自分の価値は決まる。あなたが、価値があると言えばある。ないと言えばない。あなたは、そのどちらかを選んで、それに合った人生を生きていくことになる。

 

富を手に入れたいと思うなら、選り好みせずに何でも受け取る姿勢を持ち、受け取ったものを大切にすることだ。

 

宇宙は空虚な空間を嫌うため、容量を大きくすると、それに見合ったものが入ってくる。だから、来るものは拒まずという姿勢でいると、人生はより豊かなもうるものになる。

 

受け取るのが下手な人は、受け取る対象が何であっても、やはり下手である。裏を返せば、受け取るのがうまくなれば、宇宙が与えてくれるあらゆるものを受け取り、人生を豊かなものにできる。

 

「私は受け取り上手だ。大金が転がり込んでくるなら、いつでも諸手を挙げて受け取る」

金持ちになれる人は「成果」に応じて報酬を受け取る

金持ちになれる人は、自分の仕事に見合った報酬を得ようとする。そのため、自分でビジネスを展開していることが多い。そして、ビジネスの収益が彼らの収入になる。金持

ちになれる人は、歩合給や利益の何パーセントという形で報酬を受け取る。金持ちになれる人は、給料を上げてもらう代わりにストックオプションを要求し、利益分配制度を利用する。

 

金持ちになれる人は自分に自信があり、自分の価値を知り、その価値をうまく人に伝えるすべを心得ている。お金に縁のない人はそうではないために、「保証」を求めるのである。

 

お金に縁のない人は、自分の時間を切り売りする。ところが、時間は無限ではない。つまり「収入に上限を設けてはいけない」という金持ちのルールにどうしても反することになる。時間で報酬を得ること、イコール、金持ちになる可能性を否定することなのである。

金持ちになれる人は「両方とも手に入れたい」と思う

金持ちになれる人はちょっとした創造性があれば、両方の”いいとこどり”ができる方法を見つけられることを知っている。今後は、あなたも、どちらかを選ばなければならない場面に遭遇したら、「どうすれば両方を手に入れられるか」をまず考えてほしい。そうすれば、あなたの人生はこれまでと違った展開を見せるだろう。

 

正真正銘の金持ちは、お金と幸福の両方を手に入れなければ意味がないことをよく理解している。お金と幸福の両方がそろっていなければ、人生は完全ではないのである。

 

自由な人生を生きたいと思うなら、二者択一の考え方を捨て、「両方」を手に入れるという気持ちを持ち続けなければならない。

 

「私はお金と幸福、『両方』を手に入れる」

金持ちになれる人は「総資産」に注目する

金持ちになれる人は、勤労所得と総資産の違いをよく心得ている。勤労所得も大切だが、それは資産を構成する四本の柱の一本に過ぎないのである。その四本の柱を挙げよう。

 

①所得

②貯蓄

③投資

④節約

 

金持ちになれる人は、この四つの要素をすべて含んだものが総資産であり、どれ一つをとっても非常に重要なものだということをよく心得ている。

 

金持ちになれる人は、何に、どのように投資するかをよく研究し、優秀な投資家であることを自認しているものだ。自分で投資しない場合でも、優秀な投資家を雇って、お金を投資してもらっている。お金に縁のない人は、投資は金持ちの道楽ぐらいにしか思っていないため、投資について勉強しようともせず、ずっとお金に縁のないまま一生を終る。

 

もしかすると、四本目の柱は、あなたが思う以上に重要な要因かもしれない。富を築こうとする時、「節約」の重要性に気づく人はあまりいないが、節約と貯蓄は車の両輪の関係にある。まず意識的に生活費を切りつめ、貯蓄を増やすようにすれば、投資に回せるお金が多くなるというわけだ。

金持ちになれる人は、お金を「上手に管理する」

ほんの少しのお金であっても、きちんと管理する習慣と技術を身につけなければ、大金とは無縁なままである。今、お金をどれだけ持っているかよりも、そのお金をきちんと管理していけるかのほうが、より重要なのである。

 

金額よりも、お金を貯める習慣をつけることが大切だ。毎日毎日、経済的自立という目標に注意を向けることが秘訣である。類は友を呼ぶというが、お金はお金を呼ぶ。

 

「私はお金をしっかり管理する」

金持ちになれる人は、恐怖に負けず「行動する」

私たちが行動を起こすのをためらう原因は何だろう。

 

それは恐怖である。

 

恐怖、疑念、心配は、成功や、幸福の前に立ちはだかる最大の障害である。

 

金持ちになれる人とお金に縁のない人の最大に違いは、金持ちになれる人は恐怖に駆られながらも行動を起こそうとするが、お金に縁のない人は恐怖を感じると意気消沈してしまうことである。

マンガでわかる 1億円株塾

前書き

株のチャートをもう少し勉強しようと思い、『マンガでわかる 1億円株塾』というのを読んだので、今日はこの本について私が気になった部分を書いていきたいと思います。本書を読んできちんと練習を積めば株式市場はATMになるということです。

著者について

著者の相場師朗さんは、現役のプロトレーダーで、20歳より株取引を始め、売買歴35年。国内外の金融機関でファンドマネージャー、ディーラーを経験し、現在は自己資金の運用をメインに活動されているということです。

ファンダメンタルズは考えるな

チャートに表れる投資家心理

投資家の心理は過去と現在で180度異なるといった違いはありません。ですから、投資家心理を反映したチャートが過去の動きから大きく外れることはないのです。つまり、「チャートは繰り返す」のです。過去の動きから未来を予測できるのです。

ニュースを参考にしてはいけない

新聞記事は後講釈

ある企業が取引時間後に最悪の業績を発表しました。さあ、翌日の株価はどう動くでしょう?業績で判断するなら下がるはずですね。ところが、市場が開いてみると株価は下がるどころか、上がっていきます。結果はプラスでした。新聞には「悪材料出尽くしで買われる」との見出しがつきます。

 

ところが、業績悪化を受けて下がる株も当然、あります。すると「業績悪化で売られる」とか「業績悪化を嫌気した売りがふくらむ」となります。

 

すべて後講釈です。

株価は煩悩で動いている

株価は買い手と売り手の損得勘定や欲望といった「煩悩」で動いているのです。業績云々のニュースや情報で上下しているのではありません。

 

そしてその動きはチャートに表れます。ですから、新聞記事やアナリストレポートなどは一切、気にしても、参考にしてもいけないのです。

本番よりも「練習」を重視せよ!

練習すれば資産数億円が見えてくる

「チャートを見て、読む」これが練習です。大切なのは「量をこなす」こと。チャートを数多く見ることです。

見るべき銘柄は時価総額3000億円以上 

安定した動きのチャートが練習に最適

見るべきチャートには基準があります。

それは「時価総額が3000億円以上、一日の出来高50万株以上の銘柄」です。

取引が大きいと再現性が生まれる

時価総額が小さい銘柄は少額の取引でも株価が大きく上下してしまいます。出来高が少ない銘柄も同じです。ちょっとしたことで大きく株価が上下するような銘柄、不規則な動きをする銘柄で再現性を見つけるのは難しいのです。ですから、再現性を利用して利益を上げるための練習には向かないということになります。

ストーリーを考えてチャートを見よ!

眺めるだけでなく展開を考える 

移動平均線の向きは上向きか、下向きか?」

「短期と長期の移動平均線の位置は?」

「今のローソク足移動平均線の上か、下か?」

「今は陰線、陽線、どんなローソク足か?」

 

これらを確認して、「次はどうなるのか?」と展開を予測していくのです。それがストーリーを考えるということです。

暴れ馬チャートは移動平均線に着目せよ!

常勝への最大の武器は移動平均線

移動平均線とは、一定期間に株価がどう動いたかを表すグラフです。相場全体を高所から俯瞰して、方向性を教えてくれる道具というわけです。そこでチャートを見る際には、必ず移動平均線も見てください。

上昇、下落は移動平均線の向きと並びに表れる

移動平均線の並びが変化したら稼ぎ時

株価が上昇すると、最初に上向きになるのは5日線、次に20日線、60日線、100日線、300日線という順です。そこで上からこの順番で移動平均線が並んでいるときは上昇トレンド、反対なら下落トレンドということになります。

 

上昇トレンドでは5日線は必ず20日線の上にあり、下落トレンドでは5日線は必ず20日線の下にあるのです。

 

しかし、どのような銘柄でも上昇が下落に変わり、下落が上昇に転じるなど、トレンドが変化するときがあります。その初動として、移動平均線の向きや並び方にも変化が現れます。このときこそが、稼ぎ時です。

移動平均線のPPP、逆PPPは大相場の予感

上昇「パンパカパーン♪」、下落のPPP

PPPとは5日、20日、60日、100日、300日の移動平均線すべてが上向きで、その上にローソク足が並ぶ、いわゆる上昇トレンドをいいます。

 

一方、逆PPPは、5つの移動平均線がすべて下向き、下落トレンドをいいます。

 

さて、株価は下落、上昇を繰り返しますが、逆PPPからPPPへの転換は大相場になる可能性がほぼ確実といっていいでしょう。

 

逆PPPがPPPに転換するには、5本の移動平均線が1ヵ所に集まる必要があります。チャートでそのような銘柄を見つけたら、絶対に監視すべきです。

移動平均線の「ブラックボックス

過去20年のチャートでPPPと逆PPPがどのくらいの割合で出現するかを調べてみました。するとPPPは30%、逆PPPも30%、そしてPPPでも逆PPPでもないブラックボックス的な動きが40%ということになります。 

 

シンプルな言い方をすれば、PPPと逆PPPは合わせて60%。ゴチャゴチャしている銘柄であえてトレードしなくても、買いと売りで十分稼げるということです。

「3ヵ月」「6ヵ月」のサイクルを意識せよ

どんな大相場も6ヵ月程度で落ち着く

2ヵ月上昇が続くと1ヵ月では半信半疑だった投資家が関心を抱くようになります。3ヵ月続けば「これは本物」と目され、株価は勢いよく上がっていきます。4ヵ月、5ヵ月と上昇し続けると、1ヵ月、2ヵ月の初動段階で買いを入れ、利益を上げていた投資家は利益確定の売り注文を出し始めます。

 

そこで株価は乱高下しがちになります。6ヵ月は最高値をつける頃です。すると、今度は投資家たちの頭に「いつ天井をつけて下がるか?」という不安がよぎる売買になります。

 

そんなときに、「ここで利確だ」とばかりに、大量の売りが出ると株価は大幅下落し、ひと相場が終わるのです。

「7の法則」で上げ下げの終りを見極めよ!

上昇も下落も7日続けば小休止

上昇相場では、上昇が7日連続すると株価は勢いを失い、下落や横ばいが始まるケースが多いのです。反対に下落相場では下落が7日連続するとそろそろ底を打ちます。次の日に陽線が出たら、上昇に転換することがしばしばあります。

上昇下落を7つ数えて利確する

7の数え方ですが、まずは起点となるローソク足を見つけることが重要です。そこから数え始めます。上昇の場合は前日より終値が上がれば陽線でも陰線でも基本的にはカウントし、終値が下がったら、陰線でも陽線でも、そこで終了。横ばいになったときも終了です。下落相場はこの反対になり、終値が前日より下がったらカウントします。

 

また、厳密に7日でなくても、4日あるいは5日の上げ下げを繰り返すチャート、長くても7日以上は上昇も下落も続かないというチャートは数多くあります。

 

週足でも月足でも「7の法則」は当てはまります。そこで週足や月足で長期的な動きを知り、売買できるようになれば無敵のトレードが可能です。

「キリのいい株価」「前の高値・安値」に注目

キリのいい株価はトレンド転換の節目

たとえば下落から上昇にトレンドが変わるとき、2000円などのキリのいい株価で下げ止まり、5日線を越えたら底打ち反転の時期と考えられます。このような節目と「7の法則」を組み合わせると、トレンド予想の精度はさらに高まります。

 

7日間下げて、キリのいい株価で下げ止まれば、それが転換点となり上昇の可能性はぐんと増します。

直近の高値・安値抜けも重要な節目に

さらに、前の高値・安値はとても重要な節目になります。

 

株価が右肩上がりに上がっていく上昇トレンドになるには、安値を切り上げ、前の高値を超えていかなければなりません。

 

反対に下落トレンドは高値も、下値も切り下げていく状態です。

 

前の高値は上昇トレンドに入る壁になりやすいが、いったん壁を超えれば下落を止めるサポートラインに変身します。前の安値は下落を止めるクッションになりますが、それを抜けると反対に上昇を阻む壁になりやすいのです。 

 元気いっぱいの「下半身」が出たら買い時!

「下半身」のシグナルで上昇傾向

5日線が、横ばいもしくは上向きに転じたとき、陽線のローソク足本体がカラダ半分以上、5日線の上に突き抜ける→「下半身」成立で、トレンドは「上昇傾向」になります。

 「くちばし」が発生する前夜を探して仕掛けよ

「くちばし」はトレンド転換の予兆

「くちばし」ですが、上昇している20日線をその下にあった上向きの5日線が勢いよく上に抜けて、鋭角のくちばしのようになった形です。すでに上向きの20日線を5日線が下から抜いていくのですから、上昇の勢いが強いと考えられます。底値から上昇に反転する初動段階にも現れるので、「買い」で対応すれば大きな利益に結びつきます。

相場がゆるんだあとの「ものわかれ」を狙え

初心者が儲けやすいサイン

儲けやすいシグナルに「ものわかれ」があります。2つの移動平均線が接近したものの、交わることなく別れてゆくという、どこか哀愁漂う動きです。

押し目買い」「戻り売り」とは違う

上昇や下落のトレンドがいったんゆるんだものの、結局もとのトレンドに戻っていくの

が「ものわかれ」なのです。 

 

押し目買い、戻り売りは、「下げている途中で買う」、または「上げている途中で売る」ことですが、ものわかれは株価が「いったん下げたが再び上がったところで買う」、あるいは「いったん上げたが再び下げたところで売る」という技術です。つまり、押し目買いや戻り売りより確実なワザなのです。

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あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知

前書き

私も30代半ばになりましたが、どうも人生で運が悪い。原因を考えてみると、潜在意識かコミュニケーションか身体感覚に問題があるような気がして、『あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知』という本を手に取りました。今日はこの本で私が気になった部分を書いていきたいと思います。 

著者について

著者の高石宏輔さんは慶応大学文学部を中退されており、在学中からカウンセリングのトレーニングを受け始めていたとのこと。その後、スカウトマンを経てカウンセラーとして活動を開始し、路上ナンパの講習、コミュニケーションについての独自のワークショップも開催されているということです。

コミュニケーションを見直すいくつかの方法について

オートマな自分をマニュアルにする

無意識の行為を自覚すること

自分はコミュニケーションが苦手だとか、あがりやすいだとか、自分の気になっている部分を漠然とさせていると、それを一向に解決することができない。そのままでは改善が難しいどころか、ますますコミュニケーションが苦手になってしまう。

 

そして、それらの多くはパターン化している。その積み重ねのパターンの中の一部が他人との齟齬を生んでいたり、自分が納得のいかない関わりを作り出してしまっている。漠然とした形でではなく、いったいそのパターンのどの部分が、自分自身にコミュニケーションがうまくいっていないと思わせてしまっているのか。それを自覚することが、改善への大きな一歩である。

 

茶店などで話をしている人たちを見てみて欲しい。

 

話をしている人たち、聞いている人たちの動きをじっくりと見てみる。話すときや聞くときにどこを見ているか、どのように頷くか、どのような姿勢か、どのような声を出して、どのような言葉を使って相槌を打つか……。毎回それが多彩に変化する動きを見せる人はまずいない。いくつかの決まった動きの組み合わせがその人の全体の動きを形作っている。

 

他人だけではなく、自分自身も同じだ。

 

パターンである限り、その部分は臨機応変さに欠けている。相手の話している感じ、聞いている感じを受けて反応しているというよりも、相手と関係なしに動いてしまっている。

 

その相手とズレた部分が問題を起こしている。たとえば、相手の話を聞いているときに、全く相手のことを見ずに自分の頭の中に思い浮かぶことに意識を向け、何を話そうかと考えてしまうとか。相手の話を何も理解していないのに、「へー、そうなんだ」と答えてしまうとか。そうやって癖になってしまっている部分は、自分が自動的に動いてしまっている意識できていない部分である。

 

その部分を見つけたら、そこで自動的に反応せずに、相手に合わせて正直に誤魔化さずに反応をしたらどうなるだろうかと試してみたり、実際に試す前にどのように反応をしたら違和感がないか想像してみると、改善ができる。

 

どんな人の会話のしかたにも、そうした無意識にとってしまっている動きがある。それをまず見つけ、そのときに自分がどのようなことを思ったり考えたりしているのかを見つめてみると自然と改善の方法が見つかる。

 

そのつど、今自分は何を感じているか、焦りすぎていないか、相手と関係なく自動的に動いてしまっていないかと、自分を省みることはなかなか難しい。時間や余裕がなければできないことかもしれない。しかし、省みられずに続けられる言動が積み重なっていくにつれ、自分がいったいなぜ、どんな気持ちでそのようなことをしているのかを知らずに、忙しくパターンの反応をし続けるだけで一日が終わってしまうようなことになってしまう。

会話を思い出すことの意味

会話のときに、無意識にくり返してきたパターンをやってしまう前に、自分がそのときどきどう感じているかというところに留まり、相手に対して表現したい感情や感覚を味わって言葉にできれば、会話がその場に応じた生き生きとしたものになる。 

 

しかし、押し込められた感情は、会話の最中に感じて、すっと言葉にできないかもしれない。集中しても十分に感じられなかったり、言葉にできなかったりするときもあるが、数時間後、数日後にふと自分がどんな感情を押し込めていたのかがわかることもある。

 

誰かと会話をした後に、「もっと言いたいことがあったのにな」と思ったり、「なんか釈然としないな」と思うことがある。それが押し込められた感情だ。その場ではすぐに感じとれなかった感情や感覚である。

 

そこで相手に伝えられなかった感情や感覚に留まってみる。もやもやした感じや、イライラした感じ、あるいは他の感覚があるかもしれない。そういう抽象的な、まだ明確な形や言葉にはなっていない感覚をじっくりと自分で探ってみると言葉にできるようになる。無理に言葉にする必要はない。無理に焦って言葉にしたときは、それは自分でもどこか違うと分かるだろう。ふと、「あぁ!」という感じで、言いたかったことが見つかるときがくる。いきなりポンと見つかるときもあれば、徐々に感情や感覚の輪郭がはっきりとしてきたり、何かそれに付随したイメージや記憶が思い浮かんだりして、言葉になることもある。

 

これは自分の内面を観察する能力を高める瞑想である。

 

そうやって他人との会話の中で自分に発生した感情や感覚を、自分の内面にうまく潜りながら言葉にする力は一人でいるときに育むことができる。人が目の前にいるときにはなかなか難しくても、一人でいるときには落ち着いて内面を見つめられる。

 

これに慣れてくると、人と話しているときにも何を話していいか分からなくなってしまうことが少なくなったり、またより深い自分の感情や感覚を表現できるようになったりする。大勢の前で話すときでも、読み上げる原稿を準備する必要もなくなり、その場で思ったことを自由に楽しんで話せるようになる。

 

間違わないように準備をしておく必要はなく、目の前に人がいるのを感じて、感覚や感情が自ずと生まれてくるのを待ち、それを言葉にしていく。その言葉の中には、自分の感情や感覚が豊かに詰まっている。

 

他人を魅了する声や身振りも、自分の感情や感覚を素直に感じ取れるようになると自然と生まれてくる。

自分を観察する訓練

歩く

時間に余裕のあるとき、歩きながら感じてみて欲しい。

 

肩の力を抜いて、一歩ごとに身体に発生している緊張を身体全体で感じてみる。足を上げるときにその緊張を感じている場所が徐々に移動して、また下げるときにも別の場所に徐々に移動しているのを感じてみる。

 

歩くときだけでなく、ドアを閉めるとき、何かを飲もうとコップを口に運ぶとき、パソコンのキーボードを叩くとき……日常のさまざまな動きの中でも同じように身体に意識を向けることができる。余裕のあるときにそうしてみると、自分の動きについて色々なことを発見して改善することができる。

 

こうやって身体感覚に意識を向けられるようになったら、自分の気持ちが動きの変化に応じてどのように変わっていくかを観察してみる。身体に向けられる意識が繊細になればなるほど、身体の力は抜け、呼吸はゆったりとし、気持ちも落ち着いて、物事を余裕を持って見ることができるようになっていく。

同調がわかるとコミュニケーションが変わる

自分を感じて、他人を感じる

同調とは何か

人は他人と接するときに考える。

 

どのように話を進めていこうか、相手はどんなことを思っているのか、自分は嫌われていないか、変だと思われていないか……。このとき自分一人の考えの世界の中に入り込んでしまい、目の前の相手との関係が切れてしまう。そして、考えの世界の中に入り込んでしまったがゆえに、心身ともに緊張してしまう。そのとき、相手のことを見ていなかったり、感じられない状態になってしまう。

 

自分の予想通りに会話が展開することを望むのではなく「どうなるか分からないけど、どうなるか楽しみだ」と相手との関係が自然と展開していくことを楽しみにすると身体の力は抜ける。

 

自分の考えの通りになってほしいと望むことが自分を緊張させ、相手との関係を切ってしまうのだ。

 

そういった考えと身体の緊張の少ないほど、リラックスした状態で相手に意識が向けられる。すると、相手と声のトーンや、身体の動きが合っていて、第三者から見ても二人で話している様子が自然に、通じ合っているように見える。

 

このとき気持ちが通じ合い、互いの「つながり」を感じることができる。この状態を「同調」という。同調しているときは身体の動きのリズムや声のトーンが自然と一致する。

 

しかし、自分は相手と同調できていると思い込んだまま、実際は硬直して、自分の考えの中に引きこもってしまっていることがいかに多いことだろうかと僕は思う。自分ができていると思ってしまった時点で、自分と相手に対する観察が失われてしまい、同調できていないことに気づかなくなってしまう。そういうときに仲の良いと思い込んでいた人に関係を断たれたり、裏切られたりしてしまう。

 

その前兆はすでに、同調していないときにあった動きのズレの中に生れていたにもかかわらず、自分は相手と仲が良いと思い込んで、相手や自分を観察することを怠ってしまっていたから分からなかったのだ。それは常に人を疑うということではなく、自分の都合の良いように人を信じすぎないということであり、相手に丁寧に意識を向ける感性である。

 

「同調しよう!」と意識をすると、力が入ってしまい同調できなくなる。意識するのではなく、むしろ今の自分の考えや身体の緊張が目の前の相手と同調することを阻害しているのではないかと自分を観察してみると、それらを手放して自然と同調が起こる。

 

同調し、相手と自分の動きが合っているのを感じられるようになると、相手の気持ちを感じたり、相手に自分が言いたいと思っていることを自分の内に感じて言葉にしたりしやすい状態になる。

同調したらどうなるのか

同調が起こると、動きや筋肉の緊張具合が同じような感じになる。

 

茶店で人と話しているときに水を同じタイミングで飲んだりするのも同調である。また、互いに意識を向け合っているとき、落ち着き具合や緊張具合も細かく見てみると、同じような感じになっている。

 

だから、もし相手の気持ちを分かりたいと思っているのにうまくいかないなと感じていたら、相手と自分の身体の状態や声のトーンを確認して欲しい。同調しておらず、ズレていることがわかるだろう。

 

もしかすると、そのときは、自分勝手に相手のことを考えているだけかもしれない。そう思ったときは、落ち着いて自分がいったい何を考えているのかを観察して自覚することだ。

 

「あぁ……相手のことじゃなくて、自分のことを考えているだけだった」と気づいて、改めて相手に丁寧に意識を向けたとき、自然と同調し、相手の考えや気持ちに、興味をもって無心に耳を傾けられるようになる。

同調するために自分を観察する

自分の身体のどの部分に緊張があるか。呼吸はどのような感じか。そして、どのような気持でいるか。

 

そうやって自分の状態を感じることが、他人を感じるための始まりになる。他人の状態が感じられない人は、緊張し過ぎて自分自身がどうなっているのかを感じる余裕を失ってしまっている。そうなると緊張した状態で他人のことを勝手に考えるしかなくなってしまう。他人のことは、力んで考えて分かるのではなく、ふとそんな感じがするというように感じられるものだ。誰でも仲の良い人に対してはそんな感覚を持っているが、無理に仲良くなろうとしたときには力んでしまって、そのことを忘れてしまう。

相手に意識を向ける

自分を観察してリラックスした状態で他人に意識を向けると、自分の心身の状態が変わるのが分かる。緊張している人を見ると緊張し、リラックスしている人を見るとリラックスする。自分の緊張がなければないほど、状態の変化ははっきりと感じられる。

反対に自分の緊張が強いと、状態の変化は微妙にしか感じられないかもしれないし、全く感じられないかもしれない。

 

たとえば、喫茶店にはいろいろな人がいる。パソコンに向かって集中している人、ぼんやりとしている人、楽しそうに話している人、つまらなさそうに話している人、皆一人一人違う状態でその場にいる。

 

その一人一人に意識を向けて、自分の状態がどう変わるのかを観察してみると、相手によって自分の身体の緊張のしかたと気持ちが変わるのが体験できる。

同調の訓練

同調することで得られるもの

人は空っぽの身体の中で他人を感じる。自分の中にぎゅうぎゅうに考えや緊張が詰まっていたら、他人を感じることはできない。感じられるのは、自分自身の考えと緊張だけである。しかも、感じているのは自分自身の考えと緊張であるにもかかわらず、自分ではそれと知らずに、それらが他人のものだと思い込んでしまう。

 

完全に他人だけを感じることはできない。自分が混ざってしまう。だからこそ、できる限り自分を空っぽにするように準備をする。

 

人と会ったあと、対話しながら感じ取ったと思った相手の姿は、自分自身の考えと緊張であったのではないかと見直す。

 

身体に残った違和感、高揚感、緊張を自分自身で捉えながら、それらを静かに感じてみる。そうすると、落ち着いてきて、相手だと思っていたものの一部は、相手に投影していた自分自身の姿であったっことに気がつく。

 

そうして自分自身の姿、振る舞い、思考を、他人と接しているときや、接したあとに見直してみると、自分がいかにいろいろなことを思い込み、他人と自分を混同しているのかが分かる。そうやって他人と接し、自分を見直し続けていると、次第に自分の中の思い込みが消えていき、他人をよりフラットに感じることができるようになっていく。

 

他人と自分を混同して起こる怒りや共感を、自分から引き離して見ることができたとき、自分がどのようなことを感じ、どのようなことを思い込んでいるかということに気づく。そうすると、怒りを感じることが少なくなったり、他人に盲目的に熱狂したりすることがなくなってくる。

同調の質をより高めるために

自分のコミュニケーションのパターンを見直す

自分の口癖、よくしている動きを探してみる。そして、その口癖や動きのときにどのような気持でいるのかを感じてみる。たとえば、話すときに膝を摩っているとか、話す直前に唇に力が入るとか……誰でも何らかの動きの癖がある。よくやっている癖であればあるほど、知らない間にやっていて、そのときにどのような気持でいるかを自覚できていない場合が多い。その動き、癖が悪いものだからなくさなくてはいけないということではない。無自覚にしてしまっている動きを認識することで、より自分自身の動きや気持ちに対する観察力を上げることができる。知らずにやっている動きの癖の中には、自覚していない自分の感情がある。

 

同調を妨げるのは、無自覚な感情だ。自分のそのときの感情に気づかず、知らぬ間に考えたり、動いたりすることで、他人を感じることよりも、自分自身の中に籠ることを優先してしまっている。自分の感情に気づいている分だけ、他人に意識が向き、同調することができる。

 

たとえば、相手への恐怖から、相手のことを警戒して必死に見ている人は、自分が必死に見ていて、そのために目の周りに力が入っていることを知らない。

 

また、自分の恐怖という感情と、目の周りの緊張を観察できていないため、同調できていないことも知らない。

 

このように本人が気づいていないところは誰の身体にも存在している。それを自覚するだけで、その部分の緊張が抜けて、相手のことがそれまでよりも分かるようになる。この場合は自分が相手のことを怖がっているということを素直に認めることで相手に同調できるようになる。

自分の心身を、他人をそのまま映すための人形として扱う

相手の会話に合わせて、何かをしなければいけないという思い込みをいったん捨ててみて、自分をただ相手の前にある人形だと思ってみる。その人形は、相手の状態をそのまま映し、筋肉の緊張具合も、動きも、同じようになると思ってそのようにしてみる。そうやって、同じような身体の状態で、感情を感じようとしてみる。相手に対する気遣いはせず、ただ同じように感じるだけの人形になりきる。

 

相手のために何かをしなければいけないという意識を抜いてみて、相手の状態を感じることに専念したら、相手に対して同調することができる。

 

もちろんそうするだけでコミュニケーションがうまくいくわけではないが、この感覚を得ることで、他人を感じることができるようになる。

 

こうやって落ち着いて相手に合わせてみると、相手にどう働きかけようかと考えることが、相手のことを感じるのをどれだけ妨げているかが分かる。

茶店でトレーニングをする

茶店などで、別の席で会話している知らない人たちの様子を見て、身体の動きのどうちゅの具合を観察してみる。たとえば、一方が話したあとにもう一方が必ず乾いた笑いをするとか、過剰に頷くとか、一方は身を引いて腕を組んでいて、もう一方は身を乗り出しているとか、二人のズレを探してみる。

 

たとえば、一方はゆっくり話しているのに、もう一方は「うんうん」とはやく頷いているなど、二人がずれた動作をしているときは、互いに何か別のことを考えている。

 

このトレーニングは、自分は他人と対面せず、観察をするだけなので、落ち着いてできる。実際に相手を目の前にすると、相手に返事をしたりしなければいけないので難しい。まずは自分が相手と対面していない状況で動きのズレを見つけることができるようになると、他人と対面して話しているときにも自然と自分と相手とのズレを見つけることができる。

 

人は必ず他人とズレている。全く同じということはありえない。そう思って見てみると、細かいことにも気がつくようになる。

 

また、他人同士のそういうズレた動作を見つけられるようになると、普段自分が同じようなズレた動作をしていることにも、気づき始める。他人のズレを見て、「自分が同じようなことをしているのではないか」と疑ってみると、自分自身を省みる機会を得ることができる。

自分自身で変化を生み出すシステム

新しい感覚が生まれるのを待つ

自分の感覚を失う機会は世の中にたくさんある。

 

感動すると宣伝されている映画を観て感動したり、美味しいと言われているお店に行って美味しいと感じたり……どちらもそれを味わう前にすでに特定の感覚を期待してしまっているかもしれない。それとは別の感想を持つとしても、はじめに与えられた感覚と比べてみたり、反対してみたりといった感じで、なかなか一度期待してしまったものから離れることは難しい。

 

とはいえ、それが本当に自分自身の感じたものなのか、それとも期待したものを感じているだけなのかを吟味することに注意を向けて、選り分けようとしたら、余計に混乱してしまう。

 

大事なのは、それがどちらであるかということよりも、自分自身がさまざまな機会に触れて、新しい感覚が生まれることを楽しみにしているかどうかだ。楽しみにしていると、自ずと新しい感覚が生まれたことに注意深くなる。思った通りの感覚を引き起こしてもらおうと他人任せにしていると、期待通りのことが起きなかったことを残念に思ったり、酷いときは怒ったりしてしまう。そのときには、はじめに期待した感覚にしか意識が向けられていない。そうなると、それとは別に自分の中に生まれている感覚に気がつかなくなってしまう。

 

ある機会に触れて、良いものでも悪いものでも、自分にどんな反応が起こるのかと構えずに楽しみにしてみることが、新しい感覚の芽生えを見るコツだ。そうすると、自分では思ったことのない反応が自分の中で起こるのが見つかるかもしれない。

悩みを解決するために硬直した筋肉をほぐす

身体を動かすエクササイズは自分の中に芽生える感覚を待って捉えることを訓練するのに適している。悩んでいる心身の状態では、いくら考えてもなかなかアイデアが出ない。どう解決するかを考えるのではなく、状態を変えて良いアイデアが生まれるのを待つ方が早くアイデアが出る。このときに身体を動かすのはとても便利だ。なぜなら、考えたりして気持ちを切り替えるのはなかなか難しいが、悩んでいるときの硬直した身体をほぐすことは簡単にできるからだ。

 

身体を動かして筋肉をほぐしたり、考え込んでしまって雑になってしまっている体感覚を繊細にし直したりすることで、自分に新しい感覚が生まれる機会を与えられるようになる。

 

そうやって身体の固まった部分がほぐれていくと、何かが思い出されたり、思い浮かんだりする。そのときはそのまま考えずに、思い出されたことや思い浮かんだことをそのまま観察してみると、何かアイデアや新しい発見に発展していく。

 

このときには、より丁寧に身体のほぐれていく様子を感じることが大切だ。身体の変化を観察していると、自然と考え込んでいる状態から自分の内面を感じる状態に変わっていく。考え込んでいるときは筋肉が硬直している。思い浮かべているときはリラックスして筋肉がほぐれている。悩みを解決しようと意気込んでしまうと難しい。やりながら、その意気込み自体が自分の身体を固くしてしまっていることに気がつくことができれば、新たな変化が生まれやすくなる。

空間と他人を認識する

悩んでいるとき、無理をしているときは物にぶつかったり、躓いたりし易い。また人にもぶつかりやすく、酷いときはぶつかったことにすら気がつかない。声が極端に大きくなったり、小さくなったりもする。

 

何かに必死になり過ぎていたり、気分が落ち込んでいて人の顔を見るのが少し怖くなっているようなときに、空間と他人を認識できていない状態になる。そのとき、少しずつ空間と他人を認識するようにすると、徐々に自分の感覚や感情も感じられるようになる。

 

悩んでいたり、何かがうまくいかないなと思っているとき、身体を動かしながら、周りを感じることに意識が向けられているだろうかと観察してみると、うまくいかなかったり、考え込んで悩んでしまう状態を良くするきっかけになる。目に映っているものを認識できているだろうか、身体の後ろにあるもの、横にあるものを感じられているだろうか。足元、頭の上にあるものを認識できているだろうか。

 

特に目は、瞼を開けているからといって、目に映っているものを認識しているとは限らない。自分の考えに没入しているときは、瞼を開けていても見えていない。その状態になっていないか自分で確認をしてみる。

 

認識している空間の範囲もより広く感じられるようにしてみる。外にいるときなら、半径三メートルくらいから、五メートル、十メートル、前方だけでなく、後方にも広げていって、より広く周りを丁寧に認識していくというイメージを持ってみると、苦しく自分に閉じ籠っているところから開いてあっているいく感じが味わえる。

 

また、他人と話しているときには、自分が相手に出している声は、相手にとって大き過ぎないか、小さ過ぎないかと感じてみると、今自分が相手に意識が向けられているかどうかが分かる。特に対人関係の仕事を一生懸命にやっている人は、少し興奮状態になって声が大きくなりがちだ。

 

そうやって、自分の空間や他人に対する認識を見直してみると、考え込んだり、悩んだりしている状態から、丁寧に、落ち着いて、自分の感覚や感情を観察できる状態になることができる。

与えられることによって停滞することもある

世の中にはアドバイスを受けたい人々、アドバイスをしたい人々で溢れている。誰かの言う通りにやってうまくういったら楽だし、自分の言う通りに誰かがうまくいったら自分の考えの正しさが証明されて心地よい。どちらにとってもメリットがあるからそれでも良いと思う人もいるかもしれない。

 

しかし、アドバイスは新しい感覚を自ら芽生えさせるのを奪うこともある。

 

反対に、自分で漸く出した答えは積極的に試してみたくなる。

 

「うまくいくかわからないけど、自分の考えたやり方でやってみよう」

と思うとき、期待と不安の引っ張り合いの葛藤の中で人は行動をする。その葛藤はおきには、自ら進む強さを自分自身に感じさせ、失敗したときにはもう一度やってみようと思わせ、成功したときにはまた先に進もうと思わせてくれる。

 

しかし、他人に言われた通りにやってみるとき、うまくいったとしても、自分で出した答えを信じて行動をとってみる葛藤を味わえない。うまくいかなかったときはアドバイスをした相手のせいにしてしまうこともある。自分の出した答えを試したわけではないから、失敗を糧にまた別のやり方を試そうとはなかなか思えない。自分で試行錯誤をし、自分自身の感覚と自分の出した答えを信じる感覚が育っていく芽をアドバイスは摘んでしまう。

 

自分で考えることができないから、また誰かのアドバイスを必要としてしまい、なかなかこのループから抜け出すことができない。

 

そのループにはまった人たちの多くは、自分の感情や感覚を観察できなくなってしまっている。彼らは実際には感じているのかもしれない。だけど、自分で感じたことに確信を持つことができなくなっちるのかもしれない。

 

彼らは自分の内面を観察するメリットをまだ知らない。内面に自分を活かす答えが眠っているのに、他人からのアドバイスを求める。他人から与えられたアドバイスでしか、自分の悩みは解決できない。正しい行動は見つからないと思っているからだ。

 

そういう人たちは自分自身の感情や身体感覚の観察力が落ちている。観察力が落ちていると、自らの問題点を見つけて、それを改善するという学習がしづらい。

 

自分の感情や感覚を自覚しながら、自分で発想して、試して、その成功、失敗に一喜一憂する中で、自分で考えるための感覚は育まれていく。そのことを実感したときに、人は他人にアドバイスを求めずとも、自分で進めるようになっていく。

 

また、そうやって自ら答えを見つける感覚を育む経験を積んだとき、その人もまた他人に無闇矢鱈にアドバイスをせず、他人の感覚が育まれるのを待てる人間になる。

トランスを「生きるための技術」として考える

意識は内側に向いているか、外側に向いているか、それとも両方に向いているか

トランスとは、意識が内側、外側の両方に向いている状態である。

 

自分の気持ちや身体感覚を感じながら、目の前の相手のことを認識したとき、人は同調する。そうすると、自分の内面の感覚が同調した相手に応じて変化する状態になる。そのとき、相手に対するさまざまな感情、感覚、イメージが湧いてきて、それらに導かれるように対話をすることができる。

 

目を閉じて自分の内面の感覚を感じて、内面に集中できたらその状態のまま目を開けて相手を見てみると、その相手に応じて自分の感覚が変わる。このときに、ただ見るだけの状態になってしまい、自分の内側に対する意識が途切れると、同調が切れて相手を感じられなくなる。また、自分の内側に対する意識だけになり、自分の気持ちや身体感覚だけを感じていると、相手に意識が向いていない状態になってしまう。

話を聞くこと

話を聞くとき、相手の言葉、話し方を見聞きしながら、自分の感情や感覚がど動くかを観察することで、その話に込められた感覚や感情、イメージを捉えることができる。美味しい食事を話を聞いているときには、その食事の様子が、相手の言葉によって想起されていくように聞くことである。「焼肉を食べたんだけど」と言われたときに、肉を味わう感覚が想起されて唾液が出たり、嬉しそうな声のトーンから楽しんで食べた様子が感じられたりする。

 

トランスに入っていると、そうやって、相手の話を聞きながら感情や感覚、イメージが想起されていく。もし相手に嫌われないように気をつけて聞いていたら、それらが想起されている暇はなく、相槌の内方もどこか空々しく、返答も話の内容から逸れたものになってしまい、結果的に相手に話していて面白くない、聞いてくれている感じがしないと思わせてしまう。

 

しかし、自分の内側に入り過ぎてしまっていると、思い込みで相手に嫌な思いをさせてしまう。たとえば、他人の話を聞きながら、「自分だったらこうするのにな」と思い、すぐに他人にアドバイスをしてしまったときは、自分の内側に入り過ぎている。話の内容に応じて「この人はこういうことを思ったのだな」、あるいは「この人はこういうことが苦手なんだな」などと感じられているときには、自分の内側に入り過ぎていることはない。「自分だったらこうする」と思い浮かんだことを「こうした方が良い」と伝えてしまったときには、内側に入り過ぎていて、自分と相手の区別がついていない。言われた相手もその意見に反発を覚える可能性が高いだろう。

 

そのときにはもう自分の考えで頭がいっぱいで、目のまねの相手は見えていない。ある時点から話している他人を無視してしまっている。話し手はそういう自分の姿や受け答えから、話を聞いてくれていないと思うだろう。

 

トランスに入っていると、相手の話を聞きながら受け取った一つ一つのイメージを頼りに自分の中で映画が展開されるような感じになる。そうしていると、その人が主観的に体験した豊かな物語が感じられてきて、相手の話を感情と身体感覚を伴って受け取ることができる。

くり返されるテーマ

悩み続ける人は、その悩みに捉われている自分自身を嫌っているから、同じことで悩み続けてしまう。

 

自分について回る悩みを、自分自身のテーマとして丁寧に扱ってみると、新しい行動や認識を得ることができるようになる。反対に、その悩みを忌み嫌うと、自分が一向に進歩しないように感じられ、自信をなくし、実際にもあまり行動の変化が現れない。

 

嫌悪感を伴いつつも強烈に惹きつけられてしまう物事を、さまざまな視点で見ていくと、自分が人生の中で望んでいるものは何か、そして、それを得るためにはどうすれば良いのかということが徐々に見出されていく。

 

そうやって、悩みをくり返されているテーマとして見つめてみると、明らかに自分の日常の過ごし方が変わる。自分がどのようにそのことを気にしているのかを客観的に捉えられるようになり、自分のことを冷静に観察する視点が生まれる。

 

そうして観察し、普段からの無意識的な反応を自覚すればするほど、身体感覚が細かく鋭敏になる。たとえば人と接したときに、こんな風に怖いと思って身体を強張らせていたのだということに気づくようになる。そうして、自分の動きを知れば知るほど、硬直して思考停止にならなくなった文だけ、感情が多様に感じられるようになる。

人の話を聴くということ

外から見て美しいか

相手に質問をしたり、相槌を打ったりする前に、そこに自分のエゴがないかどうかを確かめる必要がある。相手の役に立ちたいとか、話を聞いてもらえたと思われたいという気持ちがないかどうか。その応答を発話するとき、自分の中に傲慢さは生まれていないだろうか。発話しようとするときに、表情に自らの傲慢さを示す筋肉の緊張は生まれていないだろうか。

 

悩みを話す人に対して、自分の方がものをよく分かっていると思い込んでいる聞き手の姿は美しいものではない。相談を受ける立場に身を置くと、知らない間にそのような状態になってしまいやすい。

 

話を聞く人間は、ただ相手の世界を知ろうとする人間でしかない。自分の方がものを分かっているとか、相手のことが見えていると思うと、上からアドバイスをする人間になってしまい、外から見たら、聞く側が傍若無人で、自らの傲慢さを晒しているように見える。そのときは目の前の相手にも良い印象ではない。そのために、こちらに心を開いて会話をしたいとは思えないだろう。

時間を細分化し、観察する層を増やす

誰でも、言葉を発するときは、それぞれの言葉にそれぞれ異なる感情、感覚、イメージがこもる。たとえば、「青」と一つの色を発話するにしても、そこに込められる感情、感覚、イメージは皆違う。

 

一つ一つの言葉の発話は、ただの記号というよりは、それが感知され難いほど微弱であろうと、制限できないほど強いものであろうと、自分の情念の表出である。だから、一文はただの一文として意味を伝えるものではなく、連続した情念の表出なのである。

 

このとき、声のトーンの変化だけではなく、身体の動きにも変化が表れる。手を握り込んだり、瞼を閉じたり、表情がそこだけ特に変わったり、何らかの反応がある。

 

相手の話を聞きながら思い浮かんだもの、気になったものを丁寧に拾っては捨てながら、その話のいく先を見守っていく。

 

相手の言葉の一つ一つに敏感になるために、自分が話しているときに、言葉に感情や感覚、イメージをどのように込めているかを感じてみるといい。ほとんどは無意識的に行われていて、自分では気づいていないかもしれない。

 

自分の言葉の中にある、知らないうちにこもっている感情や感覚、イメージに気づいたら、他人の話している様子を観察してみる。これも前述の喫茶店での稽古のように、他人同士が話しているのを観察するところから始めた方がやりやすい。そうやって他人の会話を聞いてみると、その中にいろいろなものが詰まっていることが感じられ、相手の話に興味深く耳を傾けられる。

相手の感情に反応すると、話が流れ始める

淡々と、起きたことが羅列されるような、事柄のみを伝える話からは、なかなか話し手が何を伝えたいのかが掴みにくい。そこに話し手の感情を読みとることが難しい場合、つまらないと感じたり、こちらが相手の感情を少ない情報からたくさん想像しなければいけないので、聞いていて疲れたりする。一方で、話を聞きながら、その人がその中で喜んだり、怒ったりしている様子が見えると面白く感じられる。そのときは聞き手が話し手の感情を推測する必要もないので疲れない。

 

多くの個人の体験は、誰にでも起こるようなものでしかない。しかし、その一方で、目の前のその人が感情や感覚を伴って体験したという意味では特別なものである。それは自分自身の体験も同じだ。どんな体験もきっと別の誰かがすでに体験していることだが、それを体験したということは、そのとき限りの感情や感覚を味わったという意味で自分自身にとっては特別なことだ。

 

自分の体験をそうした特別なものだと扱えていないとき、自分の感情や感覚を感じられなくなっている。また反対に、自分の悩みが世の中で唯一無二のものだと信じ込んでいるような場合もある。そのときは、それが他の人も体験しているありふれたものであるかもしれないという視点が欠けている。

相手の話からイメージを作っていく

他人の話を聞くときのコツは、とにかく相手の伝えたいことを受け取ろうとすることだ。

 

自分の中に相手から聞いた話はイメージとして広がっているだろうか。一つ一つの言葉から相手の体験したことを自分の中にも作っていくと、イメージを作り上げるのに欠けているものが見つかる。そしてその部分がどうなっているのかを聞いてみることで、相手と一緒に話を展開させていけるようになる。

 

相手の中にあるイメージはどんなものなのかに関心を寄せ、そのイメージを自分の中にも作り上げることに集中していると、そのような余計なことをせずに聞けるようになる。

2019年転職活動の体験談

前書き

そういえば、2019年の夏から冬にかけて転職活動を行ったので、体験談を書いてみたいと思います。

ヨシヒロのスペック

旧帝国大学の経済学部を卒業して、その修士課程まで進みました。学者になりたかったのですが、実力不足を感じて諦め、売上200億円程度の愛知県の会社に就職し、10年ほど経理をやっていました。資格は日商簿記2級とfass検定A判定、toeic695点でした。

転職理由

会社の業績が思わしくなく、5年~10年で倒産する可能性が出てきたので、30代半ばという自分の年齢も考えて、早めに転職をすることにしました。あと赤字の計算ばかりでノイローゼになりました(笑)

転職市場は活況か?

2019年の有効求人倍率は全国で1.6倍、ヨシヒロの住んでいる愛知県は1.9倍、東京都は2.1倍でしたので、この数字上は活況でしたが、転職サイトのリクルートエージェントに登録して、経理職で年収500万円以上で検索すると、愛知県は150件程度、東京都は1500件程度、大阪府は250件程度でした。

 

やはり東京都に本社がある会社が多いので、会社の管理系部門で働いていた人間が、これまでの職歴を生かそうとすると、東京都も視野に入れないと案件が限られてしまうというのが実態でした。転職を考えている方は、一度、転職サイトに登録してみて、実際に希望職種の案件数を確認してみるのをお勧めします。

どの転職サイトに登録すべきか?

私が実際に使ってみた転職サイトのおすすめランキングは以下になります。

 

1位 リクルートエージェント

   業界最大手だけあり、サイトが使いやすく、エージェントさんも丁寧な対応でし    

   た。

2位 パソナキャリア

   1位と僅差です。サイトもエージェントさんもよかったです。

3位 doda

   サイトは1位と2位にさほどひけをとりませんが、たまたまなのかエージェント

   さんが合わなかったです。

4位 リクナビNEXT

5位 マイナビ転職

転職活動に必要な書類

履歴書と職務経歴書は必ず作成しなければなりません。転職面接では、これまでにどんな仕事を行い、どんな実績をあげてきたかが問われるので、職務経歴書を詳細に作成しておかないと、面接でスムーズに応答ができなくなります。自分の仕事での実績をたくさんあげて、実績のポイントをうまくPRすることが求められるのです。

 

下のリクルートエージェントのサイトが職務経歴書を作成する上で最も参考になりました。また、転職エージェントにアドバイスを求めて、書類をブラッシュアップしていくとよいと思います。

 

職務経歴書の書き方・職種別の書き方見本とフォーマットダウンロード | リクルートエージェント

どのくらいの数の会社に応募すべきか?

複数の転職エージェントに聞いたところによると、転職活動での書類選考の通過率は、10%程度が標準ということでした。なので、1社面接に行くのに10社は応募しなければなりません。実際の私の書類選考の通過率は15%程度でした。また、書類選考の結果が来るまで大抵1~2週間程度かかります。

転職活動の意外な落とし穴SPI

書類選考を通過すると、筆記試験の受検を求められる会社が多数あります。筆記試験の有無は求人に書いてあるのですが、大抵の会社はSPIのテストになります。歳を取ると、中学や高校の数学なぞついぞ忘れてしまっているので、SPIの参考書を購入して、復習する必要が出てきます。

転職活動に必要な費用は?

スーツやカバンを綺麗なものにしたり、県内外への交通費や宿泊費などが考えられます。会社によっては、面接の交通費を支給してくれる旨、求人に記載がありますが、ほとんどの会社は支給がありませんでした。ですので、スーツとカバンに3~5万円、面接場所にもよりますが、交通費や宿泊費に10~20万円程度あるとよいかと思います。

転職面接でよく聞かれる質問

以下が私が転職面接でよく聞かれた質問でした。事前に回答を準備して望みましょう。

 

①これまでの職務経歴を教えてください。

②今回、転職をされようと思った理由を教えてください。

③どうしてこの会社を志望されたのですか?

④転勤がありますが、大丈夫ですか? 

転職面接で気をつけること

身だしなみや礼儀や時間厳守は最低限のこととして、職務経歴書の内容をそらんじて話せること。また、ネガティブ発言をしないことが必要です。不安や心配や、前の会社や上司の悪口ととれるような発言をすると、そこで減点されるようです。

転職活動の結果

50社ほど書類を応募して、書類選考を通過したのが10社程度、そこから筆記試験や面接で落とされ、1社だけ内定を受けることができました。実質年収が50万円ほどアップし、名古屋市内勤務となりました。内定を得るまでの期間は半年ほど、費用は東京都まで含めた交通費が大きく、10万円程度かかりました。

まとめ

有効求人倍率が高く、転職に有利な時期ではないかと思いますが、実際に転職活動を行ってみた実感としては、転職活動は大変だった、というのが正直なところです。これまでの職歴や年収、働く場所にこだわらなければ、仕事を見つけるのは簡単なのかもしれませんが、一定以上の条件をつけると、東京都以外では求人数は大分絞られてしまいます。その中から、50社応募して、2~3社内定を受けることができるか、というのが大半の人なのではないかと思います。

最高の株式投資法!! 『バフェットの銘柄選択術』

前書き

最近、株式投資を本格的にやり始めたいと思い、世界最高の投資家であるウォーレン・バフェットに関する本を読み漁っているのですが、今回は、バフェットの投資術について書いてある本の中でも、最もロングセラーの『バフェットの銘柄選択術』の内容で、私が気になったところをまとめていきたいと思います。 

基礎編 バフェットの銘柄選択

消費者独占型企業とは

「消費者独占型」企業とは、提供する製品やサービスに関して一種の独占的支配力を有しており、その価格設定力のおかげで、素晴らしい収益を享受できる企業である。

 

バフェットはこのことを有料ブリッジにたとえて説明する。もしあなたが泳いだり舟を漕いで川を渡りたくなければ、料金を払って橋を渡るほかないだろう。したがって、この橋を所有している人は、一種の独占的地位にあると考えていい。

 

これらの企業は一時的に荒波に巻き込まれても、優れた事業のファンダメンタルズが救命具となって、必ず立ち直る力を持っている。アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラワシントン・ポストなど。

 

今ここに、何十億ドルもの資金と、これはと思う50人からなる経営チームを集める力があるとする。その力を利用すれば、その企業に太刀打ちできるような新会社を作り上げることが可能だろうか。答えがはっきり「ノー」と出れば、その企業は強い消費者独占力で守られていると考えていい。

 

考えてもみてほしい。世界中のガソリンスタンドや映画館、スーパーマーケットやレストラン、ファーストフードストアやバー、ホテルやスポーツアリーナでコカ・コーラが売られ、アメリカ中のあらゆるオフィスビルのどこかには自動販売機があって、コカ・コーラがあなたのお金を待っているのだ。コカ・コーラがあまりに人気があるため、どの店も置かざるをえないのだ。そう、選択の余地がないのだ!これがまさに消費者独占力なのだ。

 

消費者独占型企業が高収益をあげる理由のひとつは、大きな資本を要する土地、工場、機械設備などにそれほど依存しなくてすむことにある。

 

コカ・コーラの原液調合法や、マールボロ・ブランドといった無形固定資産に依存する面が強いのだ。

 

あまり固定資産を必要としない消費者独占型企業は、毎年事業がもたらすキャッシュフローが潤沢なため、ほとんど負債を調達する必要がない。

消費者独占型企業を見分ける8つの基準

基準1 消費者独占力を持つと思われる製品・サービスがあるか

 

コンビニやスーパー、ドラッグストア、バー、ガソリンスタンド、書店など、どこでもいいから店の前に立って、その店を続けていく上で、絶対に取り扱わなければやっていけないブランド品は何だろうかと考えてみるといい。言い換えれば、それを店に置いていなければ店長の常識が疑われるような商品は何だろう、と自問するのである。

 

基準2 1株当たり利益(EPS)が力強い増加基調にあるか

 

たとえ素晴らしいブランド商品であっても、その会社全体の経営がまずければ、EPSは非常に不安定になりかねない。バフェットはEPSの実績値がしっかりした水準を保って、力強く増加しつづけてきたかどうかを重視する。

 

基準3 多額の負債を抱えていないか

 

消費者独占型企業は通常、多額の現預金を持っており、借金はほとんどない。言いかえれば、事業上どんな不測の事態が生じても、それを自分で解決できるだけの財務的蓄えを有しているのだ。

 

基準4 株主資本利益率ROE)は十分高いか

 

一貫して高いROEをあげられる企業は、経営陣が単に既存の事業から十分利益をあげているだけではない。株主の資金を内部留保して行う新規投資からも高い利益を生み出す能力があることを示している。そういう企業のROEの目途は15%であり、時々高いROEをあげるだけでは、この基準を満たしているとはいえないのだ。

 

基準5 現状を維持するために、内部留保利益の大きな割合を再投資する必要があるか

 

一般に消費者独占型企業は、内部留保利益を固定資産の手直しや新製品開発に投入する必要はあまりなく、非常に高収益の既存事業をさらに拡大するか、別の高収益企業の買収に振り向けることができる。バフェットがこうした企業を好むのは、自由に使える内部留保利益の存在によって不測の事態に対処できる余裕が持てるだけでなく、長期的に株主価値の増殖が期待できるからなのだ。

 

基準6 内部留保利益を新規事業や自社株買戻しに自由に使えるか

 

投資先企業が平均以上のROEをあげ続けてきたなら、今後も利益の大半を内部留保して再投資に回すことが、投資家の利益にもかなうと考えるのである。利益のどれだけを配当し、どれだけを内部留保するかは、基本的に経営者の判断に委ねるべきだ。

 

基準7 インフレを価格に転嫁できるか

 

消費者独占型企業の場合には、インフレに合わせて製品の値上げをしても、それに伴う需要の減退を心配する必要はない。インフレがどうなろうと、利益水準を維持することができるのだ。

 

基準8 内部留保利益の再投資による利益が、株価上昇につながっているか

 

バフェットは消費者独占型企業の株を適当な株価で購入できれば、内部留保利益の再投資が着実に企業価値を高め、株価も持続的に高まると考えている。 

応用編 バフェットの方程式

利益は安定して成長しているか

目をつけていた企業に悪材料が出て株価が下落したとする。投資すべきだろうか。それを判断するには、その企業の将来がある程度まで予想可能でなければならない。悪材料を乗り切るだけの力を持っているのか。まず、それを見極めることが肝要だ。

 

そのために、過去数年間の1株当たり利益(EPS)の動向を分析する。具体的には、毎年のEPSは安定的か、それとも不安定か。EPSは中長期的に上昇傾向を示しているか、それともジェットコースターのように上下を繰り返しているだけか。直近の業績は増益か、それとも減益だったり、赤字になったりしていないか。こうした点を確認するわけだ。 

買値こそ投資収益率の鍵を握る

バフェットにとって、投資した企業の利益は、保有株数に応じた自分自身の利益である。したがって、この利益を購入時の株価で割った利回りは、投資額に対する直利(直接利回り)に相当する。

 

たとえば、バフェットが1979年に購入した時のキャピタル・シティーズの株価は3.80ドルで、当時の1株当たり利益(EPS)は、0.46ドルだった。この時の投資額に対する直利を求めると、12.1%(0.46ドル÷3.80ドル=12.1%)となる。

 

株式投資の収益率は、購入時の株価水準に左右される。これがバフェットとグレアムが到達した結論である。

利益成長率から見た企業の実力

株主価値がどれだけ増えるかは、その企業の経営陣が1株当たり利益(EPS)をどれだけ成長させられるかにかかっている。EPSを成長させるためには、利益の一部を内部留保し、より収益性の高い再投資を実践していかなくてはならない。それを毎年繰り返すことによってEPSは成長し、やがて株価に反映され、株主価値の増加が実現される。

 

EPSの成長性を簡単にチェックするには、過去10年間の利益成長率と、過去5年間の利益成長率を計算し、両者を比較してみるのがよいだろう。長期の成長率からは、その企業本来の実力を知ることができ、より短期の成長率からは、その企業の実力から見た現経営陣の能力を知ることができる。 

バフェットが高ROE企業を好む理由

バフェットは消費独占型企業は安定的に利益をあげることができ、そのような企業の株に投資することは、債券に投資するのと同じようなものだと考える。この場合、企業の株主資本利益率ROE)は債券の額面に対する利子に相当し、1株当たり利益(EPS)は債券の利子にあたる。

 

たとえば、1株当たり株主資本(BPS)が10ドル、EPSが2.50ドルの株式に投資をする場合、額面に対して25%(2.50ドル÷10ドル=25%)の利子が得られる「疑似債券」に投資するのと同じことと考えるわけである。

期待収益率の水準で投資を判断する

バフェットは消費者独占型の企業を絞り込むと、まず、期待収益率を計算する。そして、株価が下落して期待収益率が上昇したところを見計らって、投資を実行する。それはたいていの場合、その企業に悪材料が出た時である。株価が下がって期待収益率が魅力的な水準になるまで待つのが、バフェット流なのである。

 

バフェットの方法は、将来の株価を予想し、それにもとづく期待収益率を計算するのである。そのためには、今後10年間の1株当たり株主資本(BPS)の予想が必要となる。これは過去のトレンドや、株主資本利益率ROE)から配当性向を差し引いた値などを成長率として、直近のBPSを将来に延長することによって計算できる。

 

次に、この10年後のBPSに予想ROEをかけて10年後の1株当たり利益(EPS)を求め、この予想EPSから将来の株価を予想する。こうして、予想株価と現時点の株価が与えられれば、期待収益率を計算することができる。この期待収益率が、同等のリスクを持つほかの投資機会の収益率やインフレ率を上回ることができるかどうかを見て、最終的に投資判断を下すのである。

 

バークシャー・ハサウェイを例に、いくつか計算を行ってみよう。まず、1986年のBPSは2,073ドル、1964~86年の平均BPS成長率は23.3%である。ここから14年後の2000年のBPSを予想しよう。計算は単純で、(1+0.233)^14 ×2,073ドルとなり、2000年の予想BPSは38,911ドルと計算される。

 

ここで、2000年の予想株価を予想BPSに等しい38,911ドルであるとすると、1986年時点におけるバークシャーの妥当な株価は、いくらになるだろうか。それを求めるには、投資家がバークシャーへの投資に対して求める収益率を割引率として、2000年の予想株価の割引現在価値を計算すればよい。

 

では、投資家が求める収益率とはどの程度の水準だろうか。バフェットなら、この種の投資に対して最低でも15%程度の収益率を要求するだろう。そこで割引率を15%として、2000年の予想株価38,911ドルを現在価値に割り引くことにしよう。

 

38,911ドル / (1+0.15)^14

 

となり、1986年時点の割引現在価値5,499ドルが得られる。   

 利益成長率から期待収益率を求める 

今度は、1株当たり利益(EPS)の成長率をもとに、株式投資に対する期待収益率の計算の仕方を、キャピタル・シティーズを例にとって紹介しよう。

 

1970年から1980年にかけて、同社のEPSは非常に安定した成長を続けていた。ここでは1980年に遡り、投資期間を1990年までの10年間として期待収益率を計算してみよう。それには、まず1970年から1980年までのEPS成長率をもとに、10年後の1990年におけるEPSを予想する。次に、予想EPSから1990年の株価から、10年間の期待収益率を計算する。

 

〈10年後の予想EPS〉

1970年から1980年の10年間に、キャピタル・シティーズのEPSは0.08ドルから0.53ドルに成長した。この数字をもとにEPSの成長率を計算すると、年平均約20%となる。この成長率と1980年のEPS0.53ドルをもとに、10年後の1990年のEPSを予想するには、

 

0.53ドル×(1+0.20)^10

 

という計算を行えばよい。

 

〈10年後の予想株価〉

1970年から1980年までの間、キャピタルシティーズのPERは9倍から25倍までの範囲で推移していた。ここでは、その下限にあたる9倍を用いて株価を予想する。したがって、1990年における、キャピタル・シティーズの予想株価は、予想EPSの3.28ドルを9倍した29.52ドルとなる。

 

〈1980年に購入して1990年まで保有した場合の期待収益率〉

1990年の予想株価29.25ドルと1980年の株価5ドルをもとに、10年間の期待収益率を計算することにしよう。この計算の式は

 

(29.52ドル / 5ドル)^(1 / 10)-1

 

となり、年率19.4%という期待収益率が計算できるはずだ。

バェット流投資のためのワークシート

1 その企業は消費者独占力を持っているか

2 その企業の事業内容を理解しているか

3 その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか

5 その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか

6 その企業は安定的に高い株主資本利益率ROE)をあげているか

7 その企業は強固な財務基盤を有しているか

10その企業の株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか

13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で、期待収益率を計算せよ

 

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