カバラの宇宙
カバラの世界創生についての覚書。
アインは存在の彼方にある絶対的な無、絶対無である。
神が存在するのであれば、それは存在者であり、有である。
かつ神は絶対的で完全であるから、絶対的で完全な存在者、
すなわち絶対全(アインソフ)である。
絶対全と絶対無は、光と影のようなものである。
コインの表と裏のように、この二つは同じである。
神は、自身を鏡に映すことで自身を見る。神を映す鏡が世界である。
神が、自身を映すために自身から離れ、鏡を造った行為が収縮(ヅィムヅム)である。
神が自身を離れたところに空所が現れ、
そこに神の意志たるアインソフオール(無限光)が射し込む。
アインソフオール内では三つの原理(ザーザーオト)が作用している。
その原理とは、「絶対の意志」とそれを受け止めて引き起こす「行為」と
それを受け止める「限定」である。
神の光であるセフィロトが流出し、種となり「神聖な樹」が根を出し、
世界と神を媒介する。